入学してから2ヶ月が経過した。
随分とこの学校にも慣れたけど、一番好きな場所は・・・
やっぱり。人の少ない、この屋上だ。

昼休み。屋上に上ると、屋上のフェンスに寄りかかってアイツがいた。
アイツはフェンスに寄りかかって、1枚のポートレートを眺めていたんだ・・・。
うわっ!すっげぇ、美人。それ?誰?
オレが後ろから声を掛けると、アイツはビクッと肩を震わせた。
そして、オレに気付くと、恥ずかしそうに顔を赤らめた。

「あ・・・こ、これは・・・小さい頃からの友達で――」

ポートレートには栗色の髪の毛で面長の美少女。
アイツは写真を胸にあて、ポツリと・・・オレに呟いたんだ。

「ずっと・・・好きだった人なんだ」

好きな人――?お、オマエの・・・?!

「でも。諦めるしかないんだ。彼女、好きなヤツがいるって・・・相談してきたんだ」

そう言って、アイツはフェンスに顔を埋めた。
アイツは悲しい横顔だったけど、諦めるしかないと聞いて、オレは何故かホッとしてしまった。
そんな自分がさもしく思えた。

オマエ、泣くなよ。
あのさぁ・・・オレ、思うんだ・・。


A また、友達からやり直せばいいさ。小さい頃からの友達だろ?

B 静かに彼女の恋、見守ってやれよ。自分より相手の幸せを望んでやるのも、1つの愛の形だよ。

C 好きな男が居ても諦めるなよ!その子が好きな男より、もっといい男になればいい!!