梅雨も半ばの6月。
毎日雨ばっかりだったけど、今日は良く晴れた。
澄み切った青空が嬉しくて、オレは屋上へ向かうと・・・そこにはアイツが居た。
アイツは妙に晴れやかな、お日様の様な表情で、オレを見つけるなり駆け寄って来た。
「此間は・・・ありがとう!!!」
アイツはそう言うと、「やっぱり、何事も諦めちゃダメだよね。もう少し、頑張ってみる!」
と嬉しそうに笑った。
その笑顔があまりに眩しくて。
何故か――胸の奥が締め付けられた。
諦めちゃダメ。そうなんだ、何事も諦めちゃいけないんだ。
だからオレも・・・コイツの事。諦められない。
いつの間にか抱いていた、アイツへの恋心。
だけど。それを告げてなんになる?アイツは、オレの気持ちなんて・・・!!
「が、頑張れよ。きっと・・・想いは叶うよ!」
でも・・・例えお前の想いは叶っても、オレの想いは叶わない。
オレの苦しみも知らず、アイツはニコッと笑い、力強く頷いた。
だけど。
やっぱり、一抹の不安は隠せないみたいだ。
ふと、表情は陰りを見せ、弱気なアイツが姿を現す・・・。
「でも。僕なんて・・・大した力もない人間だから。やっぱり不安になるよ」
大した力もない?
何言ってんだ、バカ!オレは思わず、声を荒げてしまったんだ。
A バロー!お前みたいに綺麗で魅力的な少年、見た事ねぇよ!
このオレの心を、こんなにトキメかせて止まないんだ!自分に、自信持てや!!
B バッキャロ!お前みたいに優しくて包容力のあるヤツいねーよ!!
このオレの心を、こんなに鷲掴みにして離さないんだ!自分に、自信持てよ!!