AM 7:00 朝食会場




ノノ;∂_∂ル 从;´∇`) 从;゚ー゚从<か、栞菜がももに、恋ぃ?!!


ここは旅館『柴田』の宴会ホール『みゅんの間』。
ここで7時30分から朝食会が開かれるのですが・・・。
その会場の一角で、矢島は泣きながら、夏焼たちに己の無念を語るのでした。


川 ;・ゥ・)||∩<そうなんだよ!!栞菜が・・・桃子に!!

川つゥ・)||<C組に転校してきて以来、あたし達が蝶よ花よと大切に育てて来た栞菜が、

川 ;・ゥ・)||∩<よりにもよって、ももなんか好きになるなんて!!

川 ;・ゥ・)||<地方に転校してしまっためぐに、「自分の代わりに栞菜をよろしく」と託されたと言うのに・・・。

州 ´; v ;)<ゴメンネ、めぐ。わたし達が不甲斐ないばかりに、栞菜ちゃんが・・・野蛮人の毒牙に。

川 ;・ゥ・)||つ<なんとかしてよ、みや!アンタのクラスの人間でしょ!もも!!!

ノノ;∂_∂ル<な、なんとかしてって言われてもなぁ〜。

从;´∇`)<す、好きになっちゃったんなら、仕方ないんじゃない?

川#・ゥ・)||∩<仕方なくない!!!

川#・ゥ・)||つ<じゃぁ千奈美は、熊井ちゃんが突然「ももちのお嫁さんになりたい!」とか言い出したら、納得するの?!!

从 ´∇`)<・・・・・・・・。

从l|l´∇`)<そ、それは納得出来ねぇ〜!!

川*・ゥ・)||<でしょ!!?

州 ´; v ;)∩<納得出来るワケないわよ!あんな貧乏魔人に宅の娘が汚されるなんて!イヤ!

川;・ゥ・)||つ<泣くな母さん。ワシも悲しい。

川;・ゥ・)||∩〃<おとーさんは、断固として栞菜の恋には反対です!!!

从;゚ー゚从つ<ま・・・まぁまぁ。お気持ちは察します。

ノノ;∂_∂ルつ<おとーさん、落ち着いて。


そう・・・。
もはやすっかり有原の親御さん状態になって、有原の恋を泣きながら全否定する矢島と鈴木。
バランバランの2年B組に対して、2年C組は全員がなまじファミリーの様に一丸となっているため、
B組の生徒たちからしてみれば、ちょっとだけC組はキモいのでした。
ぶっちゃけ、「栞菜が誰を好きになろうと知らねーよ」って感じなのですが、ここで矢島にソレを言ったら、今度は自分達が逆恨みされかねないので、
夏焼たち3人は「めんどくせー」と思いつつも、とりあえず話を併せてあげます。


ノノ;∂_∂ル<解った・・・。

ノノ ∂_∂ルつ<じゃぁとりあえず、栞菜自身の気持ちを聞いてみようよ・・・。


そう言って、
夏焼たちは矢島の誘導の元、有原の気持ちを聞きに行くべく、有原が食事をしているC組のテーブルへと向かいます。
すると・・・。
テーブルへ向かうすがら夏焼の目には、有原が朝食のプレーンオムレツに、一生懸命ケチャップで「桃子LOVE」と書いているのが目に止まってしまうのでした。
しかも、ラブリーな丸文字で・・・。
それを見た瞬間、有原に聞くまでも無く夏焼たちは、事態の思いのほかの深刻さを悟るのでありました。


ノノl|l∂_∂ル oO(うわぁ・・・。ケチャップでももの名前書いてる・・・・)

从l|l´∇`) oO(末期だ・・・)

从;゚ ‐゚从 oO(これは確かに、舞美が泣きたくもなる気持ちが解るわ・・・)


愕然と立ち止まる夏焼たち。
そんな3人に、有原はふと気づきます。


Σ ノk|‘−‘)<・・・ん?

ノk|*‘−‘)<あれ?どうしたの?雅ちゃんたち・・・。

ノk|‘−‘)∩<みんな揃って・・・。

ノノ;∂_∂ル<あ、いや。

从;´∇`)つ<あのね。ちょっと聞きたいことがあって・・・。

ノk|‘−‘)<聞きたいこと?

ノノ ∂_∂ル<うん・・・。

ノノ;∂_∂ルつ<あ、あのさ・・・。

从;´∇`) ノノ;∂_∂ル<栞菜って、ももの事が好きなの?


ケチャップで『桃子LOVE』と書く惨事を目の前にして、今更こんな事聞くのも逆に恥ずかしいものです。
ですが、夏焼は自分に勇気を持って、事態を打破すべく有原に聞くのでありました。
すると、有原は仰天とした面持ちで動揺を顕にします。


ノk|*‘−‘)<・・・え?!!

ノk|;‘−‘)∩<え?え?え?え?え?

ノk|*‘−‘)<えーーー?

ノk|;‘−‘)<な、なんで解るの?

ノk|*‘−‘)つ<わ、わたしが嗣永さんを好きだって・・・なんで解るの?!!

ノk|;‘−‘)<超能力?!雅ちゃんたち、私の心の中が覗けるの?!

ノk|;‘−‘)つ<いや!覗かないで!!私の気持ちを覗かないで!!恥ずかしい!!!

ノk|*‘−‘)<わたしの嗣永さんに対する、邪な欲望を覗かないで!!

ノk|*∩−∩)<嫌でしっ!!!

ノノ;∂_∂ル<い、嫌でしっも何も・・・。

从;゚ー゚从つ<オムレツにそんな事書いてあれば、誰だって解るとゆいたいです。

从;´∇`)<まぁ・・・でも。ウチらは元々、舞美に聞いたんだけどね。

ノk|;‘−‘)<え?舞美ちゃんに?

ノノ ∂_∂ル∩<うん。舞美心配してたよ、栞菜が頭オカシクなっちゃったっ・・・て。

ノk|‘−‘)<オカシクなったって・・・なんで?

从;´∇`)つ<いや・・・。どー考えてもオカシイでしょ?

ノノ;∂_∂ル<えっと、ゴメン。素で聞いていいですか??




ノノ;∂_∂ルつ 从;´∇`)つ 从;゚ー゚从つ<ねぇ、もものどこがイイの??イヤ、マジで・・・。





ノk|*‘−‘)<え?!!

ノk|*‘−‘)<つ、嗣永さんのどこがイイって??

ノノ;∂_∂ル<うん。


キョトンとした面持ちで問い返す有原に、夏焼は力強く頷きます。
大体、これだけ沢山の生徒が居る中、よりによって嗣永を選んでしまった気持ちが解らない。
ファミレスでメニューの中にステーキやハンバーグやソテーが並ぶ中、あえて鯨の時雨煮を選ぶような・・・。
お肉を沢山食べたい年頃の夏焼には、彼女の気持ちが全く理解出来ないのでした。
だけど、そんな夏焼とは裏腹に、有原の恋の病(盲目)は思ってた以上に深刻なのです


ノk|*‘−‘)<えー、嗣永さんのステキな所はねぇ・・・。

ノノ;∂_∂ル<うん。

ノk|‘−‘)<えっとぉ・・・・・・・・


ペラペラ
 ノk|*‘−‘)∩<東洋的で凛々しい顔立ちに、白い肌は雪解けのアルプス山脈の如く。

ペラペラ
 ノk|*‘−‘)つ<颯爽と現れては敵を一網打尽にする姿はナポレオンのローマ遠征を髣髴とさせ・・・

ペラペラ
 ノk|*‘−‘)∩<ギシッと詰まった腕の筋肉は、まるでケイン小杉。

ペラペラ
 ノk|*‘−‘)つ<男気溢れて優しい言動は、男塾1号生筆頭、剣桃太郎。

ペラペラ
 ノk|*‘−‘)<そして短くてプニプニした四肢は、時にミニチュアダックスの様に愛らしく・・・。

ペラペラ
 ノk|*∩−∩)<って言うか、嗣永さんに「愛してるぜ栞菜」って言われたい!!!


転校してきたばかりで比較的おとなしい有原が、
綾小路きみまろバリに饒舌になって、嗣永のステキな所(脳内)を延々と夏焼たちに語るのでした。
そんな有原の様子を見て・・・。
夏焼たちは、有原の残念なぐらいに強い思いを、心の底から理解するのでした。


ノノ ∂_∂ル<栞菜。

ノノ ∂_∂ル∩<そっか。そこまでの思いなんだ・・・

ノノ ∂_∂ル<解ったよ。

ノk|*‘−‘)<雅ちゃん・・・。

ノノ ∂_∂ル<栞菜・・・。

ノノ ∂_∂ル<・・・・・・・・・・・。

ノノl|l∂_∂ルつ<ってか、頭、大丈夫?栞菜?

从;´∇`)<も、ももに弱みでも握られてるの?だったら言って、友達じゃん!!

从;゚ ‐゚从つ<か、家族を人質に捕られたとか?なら悩まず、すぐにケーサツに向かった方がいいよ!!

ノノ;∂_∂ル<無理はしないでね!もしも借金があるなら、ももになんか頼らず、梨沙子に頼んでお金借りてあげるから!!
    _, ,_
ノk|#‘−‘)∩<って!!別に、頭おかしくないもん!!!!アタシ!!!


すると。
遠くからコッソリ、夏焼たちのやり取りを見守っていた矢島が
颯爽と有原のテーブルに現れるのでした。


三川*・ゥ・)||∩<栞菜ーーーーーーーー!!

川;・ゥ・)||つ<そうだよ!!みやの言うとおり、栞菜は今、オカシクなってるんだよ!!

川;・ゥ・)||つ<呪い!絶対呪い!!間違いない!!

川;・ゥ・)||<栞菜はきっと、『悪魔に従属する呪い』にかかってるんだよ!!

ノk|;‘−‘)<ま、舞美ちゃん。いつの間に・・・?

川 ;・ゥ・)||∩<あぁ、栞菜。可哀想な栞菜。呪いのせいでこんな事になってしまうなんて!!

川つゥ;)||<ゴメンネ。もっと早く、栞菜の呪いに気づいてあげてれば、私・・・。

ノノ;∂_∂ル<えっと・・・?舞美??

从;゚ー゚从つ<だ、大丈夫?舞美??頭・・・。

川*;・ゥ・)||<許さない!!栞菜をオカシクした桃子、許さない!!

川 ;・ゥ・)||∩<私が必ず、栞菜を魔王の呪いから開放してみせるからね!!

ノk|;‘−‘)つ<ちょっ!舞美ちゃん・・・!

川*・ゥ・)||∩<愛理!行くよ!!悪の魔王から栞菜の囚われた魂を開放するんだ!!!

州 ´・ v ・)∩<うん!!必ず栞菜ちゃんを助けてあげようね!!舞美ちゃん!!

川*・ゥ・)||<めぐ!!夜空の星となった、めぐ!!

川*・ゥ・)||∩<アンドロメダ星の光となり、わたし達に正義の力を貸して!!めぐ!!


                                    ドドドドド
从l|l゚ー゚从 ノノl|l∂_∂ル ノk|;‘−‘)つ<ちょっ・・・。       ≡≡≡≡≡州 ´・ v ・) 川 ・ゥ・)||∩<さぁ!魔王を退治しに行くぞ、お鈴!!



从l|l゚ー゚从 ノノl|l∂_∂ル ノk|;‘−‘)<・・・・・・・・・。                            ≡≡≡≡≡≡≡ラジャーー!!まいみー!!>



現れるなり喋るだけ喋って、嵐の様に去っていった矢島。
「めぐを勝手に夜空の星にするんじゃねーよ」とツッコむ間すら与えて貰えませんでした。
すっかり桃子を悪の大魔王呼ばわりの矢島と鈴木。
そんな2人の様子に、有原は不安の色を隠せません。


ノk|;‘−‘)<ど、どうしよう・・・。

ノk|;‘−‘)つ<ねぇ、大丈夫かな?嗣永さん、大丈夫かな?


しかし。
夏焼たちはもはや、この手の展開は慣れっこです。


ノノ ∂_∂ル∩〃<あぁ、ももなら全然大丈夫。

从o゚ー゚从<魔王は強いから、問題ないです。

从;´∇`)<でも、舞美と愛理の方がどちらかと言うとヤバイよね。

ノノ;∂_∂ル<そうだね。舞美はマジメだからなーー。

ノk|;‘−‘)<え?どう言うこと?

ノノ;∂_∂ル<ネタにマジレスするタイプだから・・・舞美。

从;´∇`)<本気でももに挑んでいきそうだよね。ちょっとヤバイかもね。

从;゚ー゚从<でもまぁ、舞美は体育会系だから強そうだし、平気でしょ?

ノノ;∂_∂ル<無事に終わればいいんだけど・・・。

ノk|;‘−‘)<嗣永さん・・・舞美ちゃん・・・。


そう言って、不安げに矢島が去っていった方向を見つめる有原たち。
だが、夏焼や有原も気づいていなかった。
自分たちと同じように、矢島が去っていた方向を柱の影からSTKする、超怪しげな影に・・・。


リl|;´∀`l| oO(舞美・・・・・・私の勇者、舞美)

リl|;´∀`l| oO(ついに魔王と戦いに行くのね、舞美)

リl|;´∀`l| oO(あぁ・・・舞美のピンチに、私は何も出来ないなんて・・・)

リl|;´∀`l| oO(待ってるしか出来ないなんて・・・)

リl|;´∀`l|∩ oO(いや!!そんな事ない!!私にもやれる!!)

リl|;´∀`l| oO(だって、私!!)


リl|;´∀`l|∩<舞 美 の 為 な ら 死 ね る か ら ! ! !


リl|;´∀`l|<覚悟しなさい!嗣永桃子!!!

リl|;´∀`l|<舞美の為にも・・・

リl|;´∀`l|つ<せめて相打ちになってでも、嗣永桃子を、この手でコロヌ!!!!


そんな、恐ろしく物騒な事を呟きながら、
梅田は矢島の後を追って、戦地に赴くのであります。
こうして、2年C組の総力をかけた『有原栞菜、囚われの魂の開放の旅』は、
くだらなくも午前中いっぱい続くのでありました・・・。



川*・ゥ・)||<物語は続くけど、栞菜の呪いはワタシが終わらせます!!