PM 15:00 石塀小路
―菅谷チーム(迷子班)―
州*‘
o‘リつ<あ!!
州*‘
‐‘リ∩<雨だ・・・・
その頃、菅谷はと言うと・・・
八坂神社でひとしきり夏焼達を探した後、再び高台寺周辺へと戻ってきていたのでした。
そして高台寺道から僅かに逸れた場所・・・。
京の赴き漂う町並み、石塀小路へと迷い込んでいました。
州*‘
‐‘リ<どうしよう。雨まで降ってきちゃった・・・。
州;‘ ‐‘リ<みんな、どこ行っちゃったんだろう?
州;‘
‐‘リ<どこに行ったらいいんだか、全然解んないもん
州*;‘
o‘リ<みや・・・
ずーっと周辺を探し回って居たため、すっかり疲れ切ってしまった菅谷。
雨宿りも兼ねて、お店の軒先の木作りのベンチに座り込みます。
お店のウインドウの中には、色とりどりの京都みやげが並べられていて、
なんとなく暇をもてあまして・・・菅谷はそれら郷土品を眺めていると。
Σ
州*‘ ‐‘リ 何か気に入ったお土産、ありました?>(‘
ゥ‘oリル
その店の主人の娘さんでしょうか?
年は菅谷と同じくらい。
でも、菅谷よりもずっとしっかりとした口調で、菅谷に声をかけてきたのでした。
州*‘
o‘リ<え・・・・あ・・・・。
ノリo´ ゥ`リ<良かったら、ウインドウからお出ししますよ?
州;‘
‐‘リ<あの、その・・・。
州;‘ o‘リ<ご、ごめんなさい。お土産買うワケじゃないんです
州*‘
‐‘リ<雨が降ってきちゃったから、ちょっとだけ雨宿りで・・・
州;‘ o‘リ<ごめんなさい。すぐベンチから退きます・・・。
ノリo‘
ゥ‘リ<そうだったんだ。
ノリo´ ゥ`リつ<でも、気にしないで。ゆっくり雨宿りしてっていいよ
ノリo´
ゥ`リ<あ。濡れちゃって寒いでしょ?せっかくだから、お茶でも飲んでって・・・
州*‘ o‘リ<で、でも・・・。
ノリo´
ゥ`リ<いいのいいの。
ノリo‘
ゥ‘リつ<うちはいつも、お客様にお茶のサービスしてるから、気にしないで。
そう言って・・・
少女はお店に戻ると、お茶の入った湯飲みとお茶請けを持ってきてくれました。
雨に濡れて少しだけ体が冷えていたので、温かいお茶がとても美味しく感じるのでした。
菅谷は東京に帰った後も、このときのお茶の味を忘れることが出来ない程でした・・・。
州*‘
o‘リ<すっごいおいしい・・・。
州*‘ ‐‘リ<あ、ありがとうございます。
ノリ*´
ゥ`リ<喜んで貰えて良かった〜
ノリo‘ ゥ‘リ<きみ、修学旅行生?
州*‘ ‐‘リ<うん。東京から・・・
ノリo‘
ゥ‘リつ<一人なの?
州*‘ o‘リ<・・・・・・・・・・。
州*‘
‐‘リ<班別行動の最中に、友達とはぐれちゃったの・・・。
ノリo‘ ゥ‘リ<そうなんだ。連絡は取れないの?
州*‘
o‘リ∩<ケータイ、友達に貸しちゃってて・・・
ノリo‘
ゥ‘リ<そっか・・・
少女は菅谷の隣に座り、
一緒にお茶を啜りながらぼんやりと宙を見上げるのでした。
雨は相変わらず、小粒ながら降り続いています。
ノリo‘
ゥ‘リ<連絡取れないんじゃ仕方ないよ。
ノリo‘ ゥ‘リつ<この雨の中探しに行くのは危ないよ。風邪引いちゃうよ
州;‘
‐‘リ<それは、そうだけど
州;‘ o‘リ<どうしよう・・・
州*;‘ ‐‘リ<みや・・・。
ノリo‘
ゥ‘リ<・・・・・・ねぇ
ノリo‘ ゥ‘リつ<それじゃぁ、修学旅行のしおり見せてもらっていいかな?
州*‘
‐‘リ<え?
州*‘
o‘リつ□<う、うん。
言われるままに手渡す菅谷。
少女は旅のしおりを見ながら、しきりに相槌を打って何かを考えてる模様です。
そして――。
ノリo‘
ゥ‘リつ□<ねぇ・・・。
ノリo‘ ゥ‘リ<班別行動。最終的には、4時に清水寺に集まるんだね
州*‘
‐‘リ<うん、そうだよ
ノリo‘ ゥ‘リ∩<じゃぁ、4時ごろ清水寺に直接行けばいいんじゃない?
ノリo‘
ゥ‘リつ<そしたら、誰かしらいるでしょ?
Σ 州*‘ o‘リ<あ・・・・・。
州*‘
o‘リ<そっか。そうだよね!!
州;‘ ‐‘リ<あ、でも。あたし、清水寺の場所、良く分かんない・・・。
ノリo‘
ゥ‘リ<大丈夫。あたしが連れてってあげる!
Σ 州*‘ o‘リ<え!!?
州*‘ o‘リ<ほ、ホントに??!
ノリo´
ゥ`リ<うん、地元だからこのあたり詳しいし、大丈夫だよ。安心して!!
州*‘ o‘リつ<うん!ありがとう!!
州*‘
‐‘リ<・・・・・・・・・・・。
州*‘ ‐‘リ<でも。
ノリo´
ゥ`リ<ん?
ちょっとした疑問。
菅谷は少女に問いかけてみるのでした。
州*‘
o‘リつ<なんで・・・そんなに優しくしてくれるの??
州*‘ ‐‘リ<あたしは何もしてないのに・・・。
ノリ*´
ゥ`リ<・・・・・・・・・。
ノリo‘ ゥ‘リ∩<困ってる人を見たら助けなさいって、
ノリo‘
ゥ‘リ<死んだお婆ちゃんがいつも言ってた。
ノリo‘ ゥ‘リつ<それに。困ってる人を助けるのに、理由なんていらないでしょ?
ノリo‘
ゥ‘リ<何かしてもらった代償の人助けなんて、そんなの人助けって言わないよ。
ノリo‘
ゥ‘リ<理由なく助けるから、人助けなんだよ?
州*‘
o‘リ<・・・・・・・・・。
少女の無垢な返答に、
菅谷は思わず言葉を失ってしまいます。
見知らぬ土地で出会った優しい少女の言葉に、
菅谷はただただ感謝の気持ちで胸がいっぱいになるのでした。
州*‘
‐‘リ<ありがとう。
州*‘ o‘リつ<ホントにありがとうね。
ノリ*´ ゥ`リ∩<ううん。
ノリo‘
ゥ‘リつ<気にしないでいいよ、梨沙子ちゃん
州*‘ o‘リ<え!?
州;‘
‐‘リつ<え?あれ?!なんであたしの名前知ってるの?!
ノリo‘
ゥ‘リ<あ、ごめん。さっき借りたしおりに名前書いてあったから、勝手に見ちゃったの・・・。
州*‘ o‘リ<あ、そっか・・・。
州;‘
‐‘リつ<びっくりしたぁ〜。魔法使いかと思った・・・。
ノリo´ ゥ`リ<あはは。魔法使いって・・・面白い事言うねぇ〜。
ノリo‘
ゥ‘リ∩<私は魔法使いでもなんでもないよ。ただの地元の中学生・・・。
ノリo‘
ゥ‘リつ<久住小春って言うの。ヨロシクね、梨沙子ちゃん!
州*‘ o‘リ<小春・・・ちゃん?
州*‘
‐‘リ<そっか・・・。
州*‘
‐‘リつ<あたしは菅谷梨沙子。よろしくね。小春ちゃん・・・。
こうして・・・。
菅谷は道に迷った果てに辿り着いたお土産屋さんで、
久住小春と言う少女と、知り合うこととなります。
そんな出会ったばかりの2人ですが、不思議なぐらい心が通じ合い、
清水寺に向かうまでの道すがら、久住の先導の元、菅谷は京都の町を案内してもらう事になったのでした。
京都の情緒と赴きと優しさ漂う町、石塀小路。
そこで、
菅谷と久住が、こうして運命的な出会いを果たしている頃・・・。
菅谷を探すために、たった1人グループを離れて、
京都の町並みへと飛び出して行った夏焼は――
PM
15:00 竹内栖鳳邸跡
―夏焼チーム(甲斐性なしチーム)―
ノノ*∂_∂ル<うわぁああああ!
ノノ*∂_∂ルつ<この鹿さんの縫いぐるみ、超カワイイーーー!!!
( ‐ Δ‐)つ<はい、おじょうちゃん。現品限りだよぉー。お安くしとくよぉー。
( ‐
Δ‐)∩<今ならなんと、3割引なんだにぇ〜。
Σ
ノノ;∂_∂ル<3割引!!!現品限り?!!
ノノ;∂_∂ル<ど、どうしよう!!悩むなぁ〜・・・。
( ‐
Δ‐)<今買っておかないと、次はないかもよぉ〜。
( ‐
Δ‐)<そういえば、さっき・・・これが欲しいと言ってた女の子が、たしか他にいた気がするにぇ〜。
Σ
ノノ;∂_∂ル∩<え?!うそ?!ちょっと待って!!ちょっと待って!!
ノノl|l∂_∂ルつ<お願い!!もーーーーちょっと考えさせて!!!
・・・・・・・・・・・。
竹内栖鳳邸跡近隣で、もうかれこれ20分ばかし、
怪しい露天商に捕まっていたのでした・・・。
( ‐ Δ‐)<そして、つづくんだにぇ〜。