PM 13:00 東大寺


奈良公園で鹿と戯れたあと、
一同はガイドの保田の案内の元、東大寺の大仏殿へと向かったのでした。


ノノ*∂_∂ル<はぁ〜。鹿、チョーかわいかったぁ。

( `.∀´)<雅ちゃん、気に入ったみたいね。鹿

ノノ*∂_∂ル<はい!もー。すっごいカワイイ!

( `.∀´)<あら、良かった。奈良公園の鹿は天然記念物だから、可愛がってあげてね

ノノ ∂_∂ル<天然記念物なんですか?

川 ´・_・`リ<へー。特別な種類なんですか?

( `.∀´)<ううん、ただのニホンジカなんだけど・・・

( `.∀´)<大昔に藤原不比等が春日大社を設立する際にね

( `.∀´)つ<神様が白鹿に乗って春日にやってきたって
言い伝えがあるの

( `.∀´)<だから、ここでは鹿は神様の使いなのよ。

ノノ ∂_∂ル<なるほどー。
だから天然記念物なんですね

川 ´・_・`リ<鹿は神聖な動物なんですね。


東大寺への道すがら、
クラスの優等生の2人が熱心に保田の話を聞いてる。
だが。そのすぐ後ろでは・・・


ル ’‐’リ<鹿ってお鍋にすると美味しいんだってね

从*´∇`)<え?!ホントに?!鹿って食べれるの?!!

ル ’ー’リつ<うん。もみじ鍋って言うんだって。山梨で名物だって聞いたよ

川*^∇^)<へぇ〜。そーなんだぁ?

ル*’ー’リ<美味しそうだよね。一度食べてみたいな〜


保田が『鹿は神聖な動物』と語ってる後ろで、おもいっきり『鹿鍋』の話をする嗣永。
保田と語らう清水と夏焼。いささか肩身が狭くなる。


ノノl|l∂_∂ルoO(あの、バカ・・・・)

川;´・_・`リ<ス、スミマセン。保田さん。食い意地張った生徒で・・・。

ノノ;∂_∂ル<大体、あんなにカワイイ鹿を食べるとか、フツーあり得ないですよね

ノノ ∂_∂ル∩<一発殴ってきましょうか?

( ;`.∀´)つ<まぁ、まぁ、まぁ・・・雅ちゃん

( `.∀´)<もみじ鍋自体はね、あの子の言うとおり、本当に存在してるお鍋だからね

ノノ ∂_∂ル<え?そうなんですか?!鹿、食べるんですか?!

ノノ;∂_∂ル<信じらんない。鹿、カワイイのに・・・

( `.∀´)<カワイイけど食べられちゃうのは、馬だって牛だって同じでしょ?

川 ´・_・`リ<あぁ、それもそうですね・・・。

( `.∀´)つ<うん。でも、ここ奈良の鹿は天然記念物で特別だから

( `.∀´)つ<人間に殺されたりすることはないし、あっちゃいけないんだけどね・・・

( `.∀´)<なんせ大昔、春日の鹿を殺したせいで生き埋めにされた子供もいたぐらいだから

Σ 川;´・_・`リ<え?!!鹿を殺して死刑なんですか?!!!

ノノ;∂_∂ル<今なんて、人間を殺しても中々死刑執行は難しいのに・・・

( `.∀´)つ<そう、今じゃ考えらんないでしょ?

( `.∀´)つ<それぐらい。ココでは遥か昔から、鹿は大切な生き物として扱われてたって事!!


川 ´・_・`リ<なるほど

ノノ ∂_∂ル<鹿は大切にしなきゃいけないんですね・・・


保田の言葉に、神妙な面持ちで納得する清水と夏焼。
だが・・・やはり後ろでは・・・


ル ’ー’リ∩<あ!そー言えば・・・

ル ’ー’リ<鹿鍋の他に、鹿刺しってのもあるんだって!!

从;´∇`)<ウソ!お肉、お刺身にするの?

ル*’ー’リ<そうそう!なんか、鹿ってお尻の部分がすっごい美味しいらしくて・・・

ル*’ー’リ<狩猟してきた鹿を捌いて、にんにく醤油で生で食べるんだって!!

川*^∇^)<へー。にんにく付けるんだ?

ル ’ー’リ<うん、テレ東の旅番組で阿藤快が食べてたよ!!すっごい美味しそうだったの!!

ル*’ー’リつ<ホラ、ちょうどあそこにいるみたいな、お尻のプリプリしてる鹿!

ル ’ー’リ<それがスッゴイ美味しいんだって!!

ル*’ー’リつ<あーん、もう!鹿見てたら、なんかお腹すいてきちゃったぁぁ!!!



( ;`.∀´)ノノ;∂_∂ル川;´・_・`リ<・・・・・・・・・・・・・・・。



川;´・_・`リ<み、みや・・・。

川l|l´・_・`リつ<な、奈良の鹿を殺すと・・・し、死刑になっちゃうんだよね?

ノノ;∂_∂ル<ももが勝手に鹿捕まえて食べないように、

ノノ;∂_∂ル∩<ちゃんと見張ってなきゃダメだね・・・佐紀ちゃん

川;´・_・`リ<そうだね!みや!!!

ノノ*∂_∂ルつ<よし!「縁夷逗・鹿さん愛護団」出動!!!



こうして・・・。
奈良公園の飢えた鹿以上にお腹をすかせている嗣永と、
飢えた嗣永が鹿の密猟をしないように、細心の注意を払って監視する「鹿さん愛護団」の夏焼と清水。
そして――。
そんな凄い子供たちを見つめながら「今年の修学旅行は、これまた凄い子供たちを請け負っちゃったわね」と、
今から3日間の旅の覚悟を決める保田なのでありました。


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