ヘンなヤツはほっといて・・・。
オレは親友のコイツと一緒に学食でくっちゃべっていた。
オレとコイツはタイプが似てるのか凄く話が合うし、
なによりも、コイツは気さくだからさ・・・話してて楽しいんだ。
だけど。
この日は違った。オレが話しかけても、
アイツは何処かうわの空で、学食の出口の方ばっかチラチラと見てた。
・・・・・・・。
親友だから、なんとなくオレはわかってた。
コイツは、さっき猫を抱えて出て行ったアイツが気になるんだ。
背が高くて見た目はカッコイイのに、ワケわかんなくて、何処か子供っぽいアイツ。
コイツはさっきから、アイツが気になって上の空なんだ。
なぁ?気になるのか?アイツが・・・?
オレが問うと、真っ赤な顔して、コイツは否定した。
「んなワケねぇだろ?!たかが猫であんな怒ってさ、あのガキ!バカじゃん!!」
そう言ってムキになるコイツ・・・。
でも、ガキって言うけどさ・・・お前こそ、幼稚な子供の感情だよ。
好きだから逆に、あぁやって、バカにする様な事を言って怒らせちゃうんだ。
本当はコイツがアイツを好きなのを知ってるんだ、オレ。
コイツの机に、背の高いアイツの写真が隠してあったの、オレ、偶然見ちゃったんだ。
それ見たとき、オレ、悔しくてしかたなかったんだ。
だってオレはずっと、ルームメイトのコイツの事好きだったのに・・・。
だからかな。さっき、コイツに「ほっとけよ」と言われ、アイツを追う気にならなかったのは――。
アレはきっと、オレの嫉妬心なんだと思う。
でも・・・。
目の前でアイツが気になるのか、ソワソワしてるコイツを見てると、落ち着かない。
オレはコイツの事、こんなに好きなのに・・・どうして・・・。
A アイツの事、気になるんだろ?追っかけてやれよ・・・。アイツ、きっと喜ぶよ。
B なぁ!少しはオレを見てくれよ!オレはお前の事好きで、ずっとずっと、いつだって見てきたんだぞ!