えりかの はぁと 日記



今日、私は銀座でオシャレなハートのアクセサリーを買ってきました。
舞美は私のアクセサリーを見て、カワイイって言ってくれるかな?
ドキドキ胸を高鳴らせながら、楽屋に入り、さりげなく胸元を強調する私。
大胆、常夏気分♪
すると、舞美はすぐに気づいてくれました!!


「あれ?えり・・・そのネックレス、カワイイねーー!!!」


ウッキャー!!!舞美からなーんと、大・絶・賛!!
さすが私!!さすがティファニー!!!さすがオープンハート!!!
大きく開いた胸元に、カワイイハートのネックレス。きっと舞美もメロメロだろうな〜。うふっ。
そんな感じで、私が舞美の「カワイイ」に浮かれモードでいると、
無邪気な顔をした愛理が舞美の元に・・・。


「ねぇねぇ、舞美ちゃん。見てみて!筆箱新しくしたんだー」
「へー!いいじゃん、愛理!!カワイイねー!!」
「ねぇねぇ、舞美ちゃん。この靴はどう?」
「えー!いいじゃん、栞菜!!超カワイイよ!!」
「ねぇねぇ、舞美ちゃん。DS、新しくしたんだよ〜!!」
「おー!いいじゃん、ちっさ!!めっちゃカワイイ!!!」


・・・・・・・。


もう、舞美ったら・・・(遠い目。


舞美は優しいから、誰も傷つけたくないから、みんなにカワイイって言ってあげちゃうんだよね?
だって、DSにカワイイは日本語としてオカシイもんね?!
本当にかわいいと思ってるのは、私だけだよね?うん、解ってる!!
大丈夫!えり、負けない!!えりはポジティブ元気!!(私、ごまヲタなの)

あぁ、優しい舞美。無邪気な舞美。
そうやって誰も傷つけない様に、全ての人にカワイイと言う事で、
私のガラスの心が傷ついてるとも知らずに。いけずな舞美。
知ってる?舞美。
みんなに優しすぎる事で、誰かが傷つくって事もあ・・・


「ねぇねぇ!舞美ちゃん!!今日のこの洋服どう?カワイイ?!」
「えー!その洋服微妙じゃない?!ナッキー?!!」
「(ガーーン!!)・・・び、びみょう?!!」



・・・・・・・。
うん。ナッキー、ガンバc



舞美。全ての人に優しすぎる舞美。
ナッキーにも、もうちょっと気を使ってあげてね、舞美。



私がそんな事を思って舞美を熱いまなざしで見ていると・・・
舞美が私の熱っぽい目線に気づいたのか、パッと私の方を振り返ってニコニコした笑顔で近づいてきたの!!
そしてゆっくりと私の胸元に手を伸ばして!!きゃーーー!!!

何?!どうしたの?舞美!!
やっ!こんなところで駄目だよ、舞美!!
何かなさるなら、こちらではなく、そちらはどちらで・・・あぁ〜〜!!


「ねぇ、えりー!!そのネックレス、ちょっとだけ付させてくれない?」
「・・・・・・・・・・へ?」
「すっごいカワイイから、ちょっと付けてみたい!!」


そう言って舞美の手は、私の胸元のネックレスに。
・・・・・・・・。
あ、あぁ、ネックレスね。なんだ、ネックレスか。そっか、ネックレスか・・・。
もう!えりの早とちりさん!!
そうよね。いくら舞美が私を好きでも、こんなトコロでそちらはどちらな事はしないわよね。テヘヘ。


「うん、いいよ。舞美。付けてみて〜」
「ホントに?ありがとー!!」


私がネックレスを外して舞美に渡してあげると、舞美はチョー嬉しそう!!
うふふ、舞美が嬉しそうで私も嬉しい!!
舞美の為なら、私のネックレス・・・ううん。私の全てを捧げてもいい!!
ヤダ、私って・・・尽くすオ・ン・ナ。


「いいなー。カワイイよね、コレ。えり、趣味いいよねー」
「ありがとー♪」


鏡に向かってネックレスを付ながら、そんな事を言ってくれる舞美。
趣味がイイですって。キャーー!!
そりゃ趣味いいに決まってるじゃん、舞美。
だって私は、舞美を見初めたオンナ な ん だ か ら!

首の後ろでネックレスを止めるのに苦労しながら、一生懸命鏡に向かって付けている舞美。
もう、舞美は不器用なんだからぁ!恋も含めて、不器用な人c

「舞美、付けてあげようか?」
「あ、ホントに?ありがとね、えり」

私が後ろから舞美の首に手を伸ばすと、髪の毛が邪魔にならないように手で束ねて上にあげてくれる舞美。
その瞬間、舞美の美しいうなじが・・・あぁ・・・!!
もし、鼻血出たらゴメンね、舞美。おもっきり、舞美にかかっちゃうよね。でも、鼻血出ても、舞美がイケナイんだからね!!
ハァ・・・こんな綺麗なうなじに、私のティファニーが装着されるなんて。
私がティファニーだったら、きっと萌え死んでるな♪

「OK、舞美。つけたよー」
「ありがとーー!!」

嬉しそうな声。
舞美が束ねていた髪の毛をパサッと落とすと、ちょっとだけ髪の毛がボサボサに。
もう、舞美は大雑把だな〜。
私がさりげなく、後ろからパッパッと舞美の髪の毛を整えてあげるの。なんかまるで、新婚夫婦みたいね、私たち。うふふ・・・。

でも、そんな私に舞美は気づいてないみたい。
一生懸命鏡に向かいながら、自分の胸元に輝くオープンハートを見てご満悦の様子。
もう!貞淑の妻にも気づかず宝石に夢中なんて。酷いひと・・・。
でも。ハートのネックレスをつけた舞美。きっとフェアリーの様にカワイイんだろうな・・・うふっ。

「ね、舞美。私にも見せて」
「あぁ、ごめん。1人で夢中になってたよー」

私の催促を聞いて鏡に向かいながら、頭をかいている舞美。
もう、1人で夢中になっちゃダメでしょ。
私にもあなたの雄姿を見せて、舞美・・・。

「ねぇねぇ、どう?えり?似合う?」

そう言って嬉しそうに振り返る舞美。
やだ、もう。「えり、似合う?」も何も、舞美にオープンハート。似合うに決まって・・・

「・・・・・・・・え?」
「ん?なに?えり??」

思わずフリーズしてしまう私を、期待に満ちた目で覗き込む舞美。
でも、私は何も言えなかった。
舞美が何を言ってもらえるか、ワクワクした目で私を見つめていると言うのに・・・
私は何も言えなかったの・・・。
だって!だって舞美―――。







どうしよう。舞美にハート・・・全っ然、似合わない。








「ねぇ、えり?どう?」
「あ、あ、あの・・・・」
「えり?」
「ご、ごめん!舞美!!!!」
「え、えりぃ?!!」


・・・・・・。
気づいたら、私。舞美の前から逃げ出していた。
楽屋にいた℃‐uteのメンバーがみんな不思議そうに私を振り返る中、
私は楽屋を飛び出して・・・。
気がついたらNHKの食堂でカレーうどんを食べていたの。





「グスッ・・・舞美・・・ごめんね・・・グスッ・・・」

鼻をグズらせながら、カレーうどんを食する私。
泣いてるワケじゃなくて、単にうどんを食べてるから鼻がグズってるだけだけど、私は心の中では泣いていた。

えりか・・・酷い人。

なんであの時、舞美にカワイイって言ってあげなかったんだろう?
あんなに「何を言ってくれるかな〜?」って、期待に満ちた目で舞美は私を見ていたのに・・・。
あまりの舞美のハートの似合わなさに、ビックリして楽屋を飛び出してしまった私。
そうだよね。そう言えば舞美って、いつも衣装とかでも1人だけハートが全然似合ってなかったよね。忘れてた。ごめんね、舞美。
ウソでもカワイイって言ってあげれば良かったのかな?
でも私・・・舞美にウソなんてつきたくない!!



「グスッ・・・どうしたらいいの・・・舞美・・・」

カワイイって言ってあげたいけど、ちっとも可愛くなかった舞美のオープンハート。

あぁ、なんてジレンマなの?!
ウソはつきたくないけど、カワイイって言ってあげたい・・・。

鼻をグズグズさせながら、カレーうどんを食し悩んでいる私。
すると、そんな私の隣から・・・「はい」と、ポケットティッシュを差し出されたの。
「誰・・・?」と思って振り返ると、そこにいたのは愛理だった。

「愛理・・・」
「とりあえず、鼻かみなよ・・・」

差し出したティッシュを受け取り、鼻をかむ私。
愛理がくれたティッシュはビックリするほど柔らかくて、チラっと愛理の手元を見たら、袋にカシミアって書いてあった。

・・・・・・さすがだね、愛理。


「ありがと、愛理・・・」
「どーしたの?えりかちゃん。急に楽屋飛び出して・・・」
「・・・・・・・・・・」
「みんな、心配してるよ?」

どうやら愛理は心配したみんなの代表で、私を迎えに来てくれたみたい。
ごめんね、みんな心配かけて。
えりか、いけない子・・・。

「何かあったの?えりかちゃん」

優しく覗き込んで問いかけてくれる愛理。
元々困り顔の愛理だけど、いつもより輪をかけて、今日は困り顔。
ふふ・・・年下にこんなに心配されちゃうなんて・・・。

「あのね、愛理。実はね・・・」

言うべきか一瞬迷ったけど。
私は素直に愛理に事の全てを打ち明けたの。


舞美がハートが似合わない事。
全然ちっとも、ハートが似合わない事。
ビックリして楽屋から逃げ出してしまうぐらい、ハートが似合わなかった事。


愛理は私の言葉を「うんうん」と頷きながら聞いてくれた。
時々「そうだね。似合わないよね。ちっとも似合わないよね」と同調してくれたり・・・。
舞美がハートが似合わない事は、私だけではなく、誰もがコッソリ思ってた事だったみたい。
・・・・・・・・。
さすがだね、舞美・・・。


私が事の一部始終を話し終えると・・・
愛理は「うーん」と呟き、NHKの食堂の天井を見上げた。
「あ、うどん伸びちゃうから、食べてていいよ」と、私にさり気無く気遣いつつ・・・。
ありがとう、愛理。実は私も、うどんが伸びちゃわないか心配だったの。ありがとう・・・。

お言葉に甘えて、とりあえずうどんをすする私。
そして、私がうどんを食べ終わるのを見計らって、愛理はゆっくりと呟くように言った。

「でもさぁ、えりかちゃん。あたし、思うんだけど・・・」
「うん」
「舞美ちゃんは、全然ハート似合わないじゃん」
「うん」
「可哀想なぐらい、似合わないでしょ?」
「うん」
「℃‐uteって名前なのに、致命的なぐらいハートが似合わないじゃん?」
「うん」
「だけど・・・舞美ちゃんって似合わないくせに、ハートが凄い好きじゃん?」
「うん」
「似合わないくせに、カワイイモノがとっても好きじゃん?」
「うん」
「あたし、思うんだけどね・・・」


そして。
愛理はとっても爽やかな笑顔でこう言ったの・・・。
私の気持ちを・・・ううん・・・℃‐uteのメンバー全員の気持ちを代弁するかのように、愛理はこう言ったの。



「そんな舞美ちゃんだからこそ、カワイイんじゃない?」
「・・・・・・・・・・・」
「カワイイものが似合わなくて、似合わないハートが大好きで」
「・・・・・・・・・・・」
「ちっとも似合わないのに嬉しそうにハートをつけている・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「そんな舞美ちゃんが、サイコーにカワイイんじゃん!!!」
「あ、愛理・・・」



胸に染み入る愛理の言葉。
私達はNHKの楽屋で、熱い握手を交わしたの。
そう、そうだよね!!その通りだよね!!!まったくもって、仰るとおりだよね!!!


ハートをつけても、ちっとも可愛くない舞美。

だけど・・・。

そんな舞美が、私たちはサイコーにカワイイんだよね!!!!


気がついたら、
私は愛理の手を引っ張って廊下を駆けていた。
そして向かった先は勿論・・・

――ガチャ!!

楽屋の扉を開けると、舞美がオープンハートのネックレスをつけたまま、心配そうに楽屋をウロウロしていた。
急に大きな音を立てて扉が開いたのにビックリして、舞美をはじめ、メンバーみんなが振り返る。

「あ・・・えり!!」

舞美はすっごく心配した様子で、私の元へと駆けつけてくれた。
ごめんね、舞美。心配かけさせてゴメンね・・・。

「大丈夫?急に楽屋飛び出したからビックリしたよー」
「ごめん」
「体調でも悪いの?平気?」
「うん、全然大丈夫だよ。ごめんね・・・」

そう言って笑顔を見せると、舞美もホッとしたみたいで表情が明るくなったの。
あぁ・・・私なんかの為に、舞美は太陽の様な笑顔を翳らせてたのね。ありがとう、舞美。
私の太陽。私のアポロ神、舞美。

舞美は安心した様子で笑顔を見せると、
「あ、そうだ。えりのネックレス借りっぱなしだね、返さなきゃ」と言って自分の首に手を伸ばしたわ。
そしてネックレスを外そうとする舞美。

だけど・・・。

私は無言で舞美の手首を握って、その動作を止めた。
不思議そうに私の顔を伺う舞美。

「え?なに?・・・えり?」
「カワイイよ」
「へ?」

そう、今なら言える・・・。
さっき舞美に言いたくても言えなかった言葉!!
ウソなんかじゃなく、素直に言える・・・。
心の底から思う。この一言を!!!


「舞美!!オープンハート、サイコーにカワイイよ!!!」
「・・・・・・・・・・・」


私の言葉に、しばし目を丸くして驚いている舞美。
だけど、その表情は次第に明るく、クシャっとした笑顔に変わる。


「え?!ホントに?カワイイ??!」
「うん!舞美が一番カワイイよ!!!」


力強く親指を立てる私と、満面の笑顔の舞美。
すると・・・。
楽屋の中にいた、愛理やちっさやなっきぃ達も次第に・・・


「カワイイよ、舞美ちゃん!!」
「えー?!ホント?!!」
「うん!!サイコー!!舞美ちゃんカワイイ!!」
「カワイイ、舞美ちゃん!!」
「舞美ちゃんが一番カワイイ!!!」


楽屋の中にあふれ出す「舞美カワイイ」コール!!
そう、℃‐uteのメンバーはみんな解ってる。
舞美はわたし達のアイドル。舞美が一番カワイイって事を!!!


舞美は嬉しさと照れくささが同居したような顔で笑っていた。
そして、楽屋で突然起こった「舞美カワイイ」コールに、なんか良く解らないながら、ピースで答えるバカっぽい舞美。
そんな舞美も、サイコーにカワイイよ・・・。

私がそんなこんなで、舞美の可愛さ再確認に酔いしれていると、
「でもさぁ、えり・・・」
そう言って私の正面に立つ、カワイイ舞美。
舞美は自分の首に掛かっていたネックレスを外すと、私の首にネックレスをかけてくれた。
私のティファニーのオープンハートのネックレス。
そして、舞美は爽やかな笑顔で、こう言ってくれたの。

「ハートはやっぱり、えりが一番似合うよね」
「え・・・」
「えりが一番カワイイよ!」
「・・・・・・・・」



『ハートがカワイイ』と 
キミが言ってくれたから・・・ 
12月31日はハート記念日c

                     BY え・り・か



(えりかの はぁと 日記 完)



ホント、バカですみません・・・w (BY やぎ)