SCEAN18



浴室に立ち込める蒸気と水音。
桃子は頭からヌルめのシャワーに打たれたまま、じっと俯いていた。
ふと顔をあげると、目の前には鏡。
その中には頬が真っ赤に染まったままの自分。桃子はゆっくりと自分の唇に触れてみた。
そして触れた瞬間に思い出す。熊井の熱を帯びた唇と、その甘い感触・・・。
再び、桃子の胸が激しく音を奏で始め、思わず自分の体をギュッと抱きしめた。

「なんで、熊井さん・・・」

どうして、あんな事したんだろう・・・。
あまりに突然のキスに、どうしていいか解らず逃げ出してしまった。理由も解らぬままに――。
あの時の熊井の真っ直ぐな目が忘れられない。


あんな目で、あんな優しいキスをされたら、勘違いしてしまう・・・。


でも。
ただの戯れに違いない。あんなステキな人なんだもん、恋人がいないワケがない。
自分とキスしたのだって、きっとただのお遊び・・・。

「酷いよ・・・。あたしの事なんて、好きでもないくせに・・・」

自分の体を抱く腕を強める。
ヌルめのお湯が肌を伝い流れ落ちる。だが、心の中は焼けるように熱く感じた。




そして。1時間程の長めの入浴を終え、お風呂をあがる。
TVではいつもの大好きな連ドラ。
でも、今日は全くドラマに集中出来る気分ではなかった。

「なんか飲も・・・」

お風呂上りに梅酒。
あんまりお酒は飲まない桃子だけど、梅酒は結構好きで良く飲む。
特に「お風呂上りに飲む梅酒は格別だ」と、前に雅にメールをしたら「オッサンかよー」って笑われたっけ。
そんな事を考えながら、桃子が梅酒を2,3度口に含むと・・・。

♪♪♪♪

俄かにテーブルの上に置かれたケータイが音を立てる。
桃子がケータイを覗くと、ディスプレイには見知らぬ番号が書かれていた。
「え・・・誰からだろう?」
知らない番号だと若干取るのに躊躇いを覚えるが、もしかしたら会社の誰かが急用で・・・とかかもしれないし。
7コールほど躊躇ったが、桃子は恐る恐るに通話を押し、低い声で「もしもし?」と電話に出た。
すると、聞こえてきた声は。

「あ。もも・・・」
「あれ?みーやん?!!」

俄かに高くなる声。
まさか雅から電話がかかってくるなんて予想もしていなかった。声と一緒にテンションまで高くなってしまう。
「え〜。どうしたの?みーやん。電話なんてくれて!」
「いや・・・。名刺にケータイ番号も書いてあったから・・・。あの、急にかけて迷惑じゃなかった?」
「ううん!そんなワケないよ。ありがとー!電話くれて。すっごい嬉しい!!」

TVを消す。
静かになった部屋の中、桃子はラグの上にうつ伏せに寝っころがり、雅との久しぶりの会話に花を咲かせた。
最近はメールではよくやり取りをするようになったけど、こうしてお話をするのは、あの、再会した日以来だ。
「もも、今、なにしてんの?」
「ん?お風呂上りに梅酒飲んでる〜」
「はぁ?マジでぇ!?なんだその、オッサンみたいな風呂あがり〜!!」
「うふふ。だから、お風呂上りの梅酒はサイコーなんだってばぁ〜」
そんなやり取りを交わしながら、2人で沢山の事を話す。
くだらないこと、ばかばかしいことから・・・TVのこととか、芸能人の誰々が結婚したんだってーってお話まで。
1時間ぐらいの間ずーっと。笑いが絶えない空間が続く。

やがて・・・。

2人の話はいつしか、高校時代の話に及ぶ。
クラスの先生のお話。テストの点が悪くて廊下に立たされたお話。文化祭の時のお話。
そして・・・部活動のお話。

「ねぇ、みーやん」
「ん?」
「今はサッカー・・・やってないの?」
「・・・・・・・・」

ふと、受話器の向こうで雅が黙り込む。
前に再会したときもそうだった。この質問を投げかけた瞬間、雅が不機嫌になったのを覚えている。
だから、この話題には触れないほうがいいのかとも思ったけど・・・どうしても答えが聞きたかった。
桃子はサッカーをしているときの雅が大好きだった。サッカーをしているときの、爽やかな笑顔と汗が好きだった。
だから・・・。

「みーやん。すっごい上手だったよね。サッカー」
「・・・・・・・・」
「今はもう、辞めちゃったのかな?」

黙りこくっている雅。
なんとなくだけど、桃子は聞かなくても答えは解っていた。
あれだけ雅が不機嫌になって黙り込んでしまうんだ。
聞かなくても答えは解っていたんだけど・・・どうしても雅の口から答えを聞きたかった。
30秒ほどの沈黙。
やがて。雅は頼りない声で、ボソボソと呟くように答えた。

「今は、もう。やってない」
「そっか・・・。じゃぁ、今は違うお仕事してるのかな?会社勤めとか?」
「・・・・・・・」

一瞬の沈黙。
そして、雅はゆっくりと答える。

「しばらくホストやってたけど・・・最近は行ってない」
「え?!!」

ホスト――。
それは桃子が、ホンの1ミリだって予想してなかった返答。
思わず桃子は言葉を失ってしまう。
そして雅の声も、いつもより何処となく弱弱しく、頼りない声に聞こえた。

「毎日。池袋でチームの奴らとツルんで遊んでる」
「・・・・・・・・」
「お前の知ってる、サッカー少年の雅は、もういないよ」
「みーやん・・・」
「オレ。すっかり、変わっちゃったんだ・・・」

受話器の向こうの雅の声が震えているのがわかった。
2人は何も言えないまま黙り込む。
それはホンの1分にも満たない時間で、だけど何時間にも思えるほど、長い時間の様に感じた・・・。

冷蔵庫の音。
時計が時を刻む音。
ビデオがテープエンドになり、巻き戻る音。

そんな、普段は何も気にならないであろう微かな音ですら、不思議なぐらいに大きな雑音となり桃子の耳に届く。
自分の鼓動と・・・そして聞こえるはずもない雅の胸の鼓動すら、聞こえてくるぐらいに・・・。

「ねぇ、みーやん?」

そんな沈黙を、最初に破ったのは桃子だった。
桃子がゆっくりと雅の名前を呼ぶと、雅は頼りなく「え・・・?」と呟いた。
声から解る。不安に震える声。こんな雅の声を、桃子は前にも一度聞いた事があった。
あれは、高校の時。サッカーの決勝戦の直前。
決勝を前に不安に震える雅の手を、桃子はそっと握りしめて、こう言ったんだ。

「大丈夫。心配しなくて平気だよ?みーやんはみーやんなんだから・・・」
「え・・・・・」
「大切な。ももの幼馴染のみーやん」
「・・・・・・・・・・」

あの時と同じ言葉を、今一度、受話器越しに伝える。
雅は何も言わないまま、10秒ほど黙り込んだ。
そして・・・。
ゆっくりと。今にも泣き出しそうな震える声で、桃子に答えたのだった。

「ありがとう・・・もも」

幼い子供みたい。
素直な声で呟く雅が可愛くて、桃子はクスッと笑顔を零した。
やっぱり雅は何も変わらない。あの頃と一緒。
優しくてカッコ良くて子供みたいに無邪気な、大切な幼馴染・・・みーやん。

「ねぇ、みーやん。今度一緒に、食事でもしに行かない?」
「え?」
「もも。もっともっと、みーやんとお話したい」
「うん・・・そうだね、もも」

そして――。
2人で再び会う約束を交わし、電話を切る。
1時間半ぐらい喋った、長い長い電話だったけど、切る瞬間の雅はなんだか名残惜しそうだった。
そして桃子も、電話を切った瞬間。胸の奥をワシ掴みにされたような痛みを覚えた。

桃子の頭の中に浮かぶ、高校時代。
ゴールを決め、桃子の方に向かって嬉しそうにVサインを決める雅。
その爽やかな笑顔。その爽やかな汗。大好きな幼馴染。

「みーやん・・・サッカー・・・辞めちゃったんだ・・・」

あの頃と変わらない、カッコよくて優しくて大好きな幼馴染。
だけど、あの緑のフィールドに立つ姿だけは、もう見ることが出来ない。
今も変わらない大好きな幼馴染。でも、大好きなサッカー少年の姿は・・・もう、いない。




SCEAN19

開店前の『Berryz』。
カウンターでは、グラスを拭いている吉澤。
そして、熊井がオロナミンCを飲みながらテーブルを布巾で拭いていると、椅子を運んでいた舞美が唐突に熊井に話しかけてきたのだった。
「なぁ・・・熊井」
「ん?なに??」
「えーーーっと、さぁ・・・」
聞くべきか聞かないべきか。なんだかモジモジしている舞美。
そんな舞美を見て、熊井が気味悪そうに、眉根を寄せている。
「なんだよ。早くしろよ」
「あ・・・いやさ。お前・・・す、好きな人、いる?」
「ぶはっ!!!」
舞美のあまりにあんまりな質問に、熊井は思わず飲んでいたオロCを盛大に吐き出す。
折角拭いていたテーブルが、びしょ濡れになってしまい、熊井はアワアワとテーブルを拭きなおす。
そして・・・。
「あーもう!!なんだよ、お前!!モジモジしながら、そんな事聞くなよ、キモいなぁ!!!」
「あ・・・いや」
「お前、ホモか!!!」
「ちょ!!ちげーーー!!!!」
思わず舞美は大声をあげて否定するが、カウンターの向こうでは2人のやりとりを見て、吉澤がゲラゲラと笑い声をあげていた。
あまりの笑いすぎに、なんだか涙目にすらなっている。
「おいお〜い!ホスト同士の恋愛だけは勘弁してくれよーー!!」
イタズラっぽく笑う吉澤に、舞美は顔を真っ赤にして叫んだ。
「違いますよーー!!マスターーーー!!」

なんかもう、とんだとばっちりで、舞美も段々嫌になってくる。
というのも。今回の質問だって、別に自分が知りたいワケではない。千奈美が「どーしても聞いてくれ」と言うから、仕方なく質問しただけ。
それなのにホモ扱いじゃ、こっちがたまったモンじゃない!!
「ち、違うんですよ。今回は知り合いが『ホスト100人に聞きましたアンケート』を実施しててさ・・・」
「ホントかよ・・・」
「質問に答えてくれたら、抽選でチワワが当たるらしいぞ」
ごまかしの言い訳にしても、頭の悪い舞美。
だが、そんな舞美の頭の悪いその場しのぎに「チワワか。いいなぁ〜」と満更でもない熊井。
当選したら名前を「ミント」にしようとか、そんな事まで考え出す。
結局。チワワ欲しさに、熊井は素直に舞美のアンケートに答える事にしたのであった。



「じゃぁ、まず。好きな子いんの?熊井」
「ん?あぁ・・・いるよ」
「マ、マジ!!?」
思わず舞美は身を乗り出す。
「え?その子・・・タレ目?」
「はぁ?なんでだよ??」
「いや。アンケート、アンケート。答えて!!」
「・・・・どっちかっつーと、つり目かな?」
熊井の答えに、舞美は顔を顰める。
好きな子はつり目。だが、どう考えても、千奈美はたれ目だよな・・・。
「その子、脚、長い?」
「いや。長くない。結構、短いかも・・・」
「スラッと長身?」
「体つきはぷにぷにしてる。背はちっちゃいな」
「・・・・・・・そう。」
メモ用紙に纏めた、熊井の好きな人の結果。
どう見ても、100歩譲っても、千奈美ではなさそうなその結果に、正直、どうしたものかと困り果てる。


(うわーー!!この結果を、あとで千奈美に報告すんの、忍びねぇ〜〜)


結果を見ながら青ざめている舞美。
そんな舞美を不思議そうに見ながら、熊井はボソッと呟くように問いかけた。
「で・・・お前は?」
「え??」
「ホスト100人アンケートだろ?舞美はいんのかよ?好きな人」
「え?オ、オレ・・・??」
まさか自分に聞き返されるとは思っていなかった舞美。
好きな人は誰だろう・・・と思い起こそうとした瞬間、脳裏に浮かんだのは、何故か千奈美の顔。
正直。好きなのかどうかは良く解らないが・・・気になる存在なのは確か。
「・・・・好きな人。いるよーな。いないよーな」
「曖昧だな〜」
だが熊井は「ま。そのテキトーさが、舞美っぽいけどな」と言って笑い、再び店のセッティングを始める。
そしてその後。
『ホスト100人アンケート』はマスターの吉澤にまで及び、マスターの恋人『銀座のホステス、アヤカちゃん』との熱い恋バナが始まった。
開店前のホストクラブ『Berryz』。
そこはホストクラブとは思えない程、男子校っぽい、青臭い空気が漂っていた。




     ×           ×            ×




新宿。
BAR『リゾナントブルー』。
時刻は深夜2時を回った。だが、金曜日の夜は2時を回ったとて、街に人々の喧騒が絶えない。
千奈美が1人、カクテルを飲んでいると、バーの扉がバタンと開いた。
「オーッス!千奈美、ごめんな。遅くなって!!」
そう言って駆け込んできたのは舞美だった。
千奈美は軽く手を上げると「もう、先に始めてまーす」と言って、ご機嫌な笑顔を浮かべた。
舞美は千奈美の隣りに腰かけ、千奈美の飲んでいるカクテルを覗き込む。
無色透明の液体。舞美がなんだろう?と言った表情で覗き込んでいると、千奈美はカクテルを手に掲げ、笑った。

「なに?舞美も飲む?ギムレット」
「ギムレットぉ?!女が1人で飲む酒じゃねーだろ?ギムレットってぇ!!」
「平気平気。あたし、お酒強いから」
「そーゆー問題じゃなくてさぁ〜」

女なんだから無色透明のアルコール度の高いカクテルでなく、ピンクで甘口のスプモーニとか飲めばいいのに・・・。
しかも、待ち合わせ相手が来る前にギムレットって、そりゃテリー・レノックスじゃなくっても「ギムレットには早すぎる」といいたくなるってモンだ。
そんな事を思いながら物言いたげに千奈美を見ていると、千奈美が「何か舞美もたのみなよ」と言って、勝手にオーダーをする。

「じゃぁ、こっちの人に、ドライ・マティーニ!!」
「ちょーっと待て、千奈美!!オレ、酒強くないんですけど!!」
「なによ。女にギムレット飲ませて、あんたはカンパリオレンジでも飲むとか言うんじゃないでしょーね」
「いや・・・。べ、別にカンパリオレンジなんて頼まないけど・・・」

ぶっちゃけ、ただのオレンジジュースでも頼もうとしてた事は、口が裂けても言えない・・・。
結局、千奈美に強引に注文を進められてしまい、舞美はドライマティーニを飲むハメになってしまったのであった。




そんなこんなで飲み続けて1時間――。
アラスカやらスティンガーやらギブソンやら、強いカクテルばっか平然と飲みまくっている千奈美とは裏腹に、
舞美はマティーニ2杯で、すでに限界の状態。
酒が強くないのも勿論だが、元々ホストクラブの方でもすでにお客に併せて酒を飲んでいた事もあり、もはや寝落ち寸前であった。
千奈美が心配そうにトントンと、潰れている舞美の背中を叩く。

「ねぇ?だいじょーぶ?舞美?」
「大丈夫じゃねーし・・・吐きそうだし・・・」
「そうだ!アンゴスチュラビターズ、頼もうか?あれ、健胃剤のリキュールだから、胃に効くよ?」
「あ、あのな、千奈美。悪いんだけど。酒じゃない、胃薬をくれ・・・」

思わずつっ込む舞美。
千奈美は「はーい」と答え、言われた通りBARの店員から、フツーの胃薬と水を貰う。
そして、なんだか起き上がれなくなってる舞美の顎を掴んで水を飲ませると、胃薬を口の中に放り込んであげる。

「舞美って昔っから、世話がかかるよね〜」

そう言って千奈美が笑うと、売り言葉に買い言葉。
舞美はカウンターに頭をつけたまま、ぶっちょうづらを浮かべ、言葉を返す。

「そう言う千奈美は、昔っから、ムチャブリ発揮しまくりだよな・・・」
「そうかな?」
「昔は牛乳嫌いなオレに牛乳一気飲みさせて。今度は酒の弱いオレにマティーニ飲ませて・・・」
「アハハ。なんか舞美って優しいから、一緒にいるとついついムチャな事言っちゃうんだよね」
「・・・・・・・・・・・」
「優しいから、なんでも許してくれるから、ついね・・・」

優しいから――。
その言葉がなんだか舞美の心に鋭く響く。
しょせん「いい人」の自分は、千奈美にとって、ただの気晴らしの相手なんだろうなと思った。



そんな事を心の中で呟きながら、カウンターに頭を乗せたまま千奈美の方を見ていると、
ふと、舞美の目線に千奈美のカバンが目に止まった。
千奈美の隣の椅子に置いてあるカバンから、編み掛けのマフラーの様なものが見えている。
深いグリーンのマフラー。
舞美はゆっくりと顔を起こすと、「なぁ、それ・・・」と言って、そのマフラーを指差した。

「あ!これ?いいでしょ?!!」
そう言ってカバンからマフラーを取り出す千奈美。
まだ編み掛けのマフラーには編み針が刺さったままだったが、8割方完成しているらしく、随分と形にはなっていた。

「ふふーん。熊井さんにプレゼントー!!!!」
「へぇ・・・。かなり出来いいじゃん」
「そりゃ、愛が篭ってるからね。チョー頑張った!!」

そう言うと、千奈美はマフラーを舞美の首にかけ、巻いてあげる。
驚いた様子で目を丸くする舞美。
すると、千奈美は舞美がマフラーを巻いた姿を見ながら、「やっぱ、もうちょい長いほうがいいか」と言って頷いていた。

冷房のきいたバーの室内。
暖かなマフラーが、クーラーで肌寒い体をホンの少し温めてくれる。
だけど、なんとなく舞美は、心の中は寒いなと思った。
この暖かなマフラーも、学生の頃からの親友も、決して、自分のモノにはならないんだ・・・。




     ×           ×            ×




深夜。
舞美の住む、埼玉県宮原のアパート。
部屋の主が留守の真っ暗な室内で、留守番電話の音がピーっと鳴り響く。

「お兄ちゃん?・・・・舞美ちゃん?」

聞こえてくる声。
暗闇に消え入りそうな頼りない声。グズグズと鼻を詰まらせ、泣いている。

「もうね、わたし限界だよ。あの人たちと一緒に暮らしたくない」

そして、呟く。

「わたし。やっぱり舞美ちゃんと暮らしたいよ・・・」

だが、留守電の声は暗闇に響くだけ。
声はピーと言う機械音と共に、真っ暗な室内にかき消される。




(つづけ!!!)