（2006年06月03日付　日記）

縁夷逗学園シリーズ第1弾　―縁夷逗学園の１日―

ＡＭ１０：３５――　３時限目：保健体育


ミニスカ白衣の斉藤瞳先生。
保健体育の授業。


ﾉﾉ “ З.“)∩＜ハ〜イ、みなさーん。

ﾉﾉ “ З.“)＜今から保健体育の授業を始めるわよー。

ﾉﾉ “ З.“)＜それじゃぁ、みんな教科書を準備してくださいね〜。


しかし、菅谷が保健体育の教科書を忘れたらしい。
恐る恐る手を上げる菅谷。


州；‘ ‐‘ﾘ∩＜ごめんなさい、先生。教科書忘れました・・・

ﾉﾉ “ З.“)＜アラ、ダメじゃない菅谷ちゃん、忘れちゃ〜ん。

ﾉﾉ “ З.“)＜いいわ。隣の人に見せて貰ってね

州*‘ o‘ﾘ＜はーい。

州*‘ o‘ﾘつ＜ねぇねぇ、みや。教科書見せて

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜はいはい


机をくっつける夏焼。
菅谷に教科書を見せてあげる。


ﾉﾉ “ З.“)＜それじゃ今日は、４３ページから始めるわよーん

ﾉﾉ “ З.“)＜みんな教科書開いてねーん

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜はい


夏焼が４３ページを開く。
その瞬間、夏焼フリーズ。


ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜・・・・いっ！！！

ﾉﾉ*∂_∂ﾙoO（な、なにこれ。女の人のハダカのイラストじゃん）

ﾉﾉ*∂_∂ﾙoO（うわっ！超エッチだ・・・）

州*‘ o‘ﾘ＜・・・・・・・・・・。

州*‘ o‘ﾘつ＜ごめん、みや。良く見えない。

州*‘ o‘ﾘ＜もうちょっと、教科書こっちに寄せて貰っていい？

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜あ！？う、うん・・・


俯きながら、菅谷の方に教科書を寄せてあげる夏焼。
菅谷、教科書を見た瞬間。


州*‘ o‘ﾘ＜わっ！ハダカだ！！

州*‘ o‘ﾘつ＜ねぇねぇ、みや！凄い！！ハダカだよ！！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ∩＜わ、わ、解かってるよバカ梨沙子！！ウッサイなぁー！！！

州*‘ ‐‘ﾘ oO（むー！またバカって言われたー！！！）


一方、
教室後ろの嗣永は１人でなんだか大盛り上がり。


ﾙ*’ｰ’ﾘ∩＜わーわーわー！！ちーちゃん、凄いよ、凄いよ！！

ﾙ ’ｰ’ﾘつ＜裸体！！裸体！！女の裸体！！！

从；´∇｀）＜ら、裸体って表現やめてよ・・・なんかエッチいじゃん、もも

ﾙ*’ｰ’ﾘつ＜すっごーい！！おっぱい丸出しだよー！！！

从；´∇｀）＜だから、おっぱいって表現もやめてよ。エッチいってば・・・

ﾙ*’‐’ﾘ＜うわー！超ボインだ、この人！すごーーい！！

从l|l´∇｀）＜っていうか、もも。さっきから表現が、オッサンっぽいんだけど・・・


そんな感じで、
個々にハダカのイラストで盛り上がっている教室内。
斉藤先生は、とりあえず騒ぎを鎮める。


ﾉﾉ “ З.“)つ＜はい、みんなお静かに――。シャラ〜〜〜ップc

ﾉﾉ “ З.“)＜今日はねぇ、女の子の体の仕組みについてお勉強するわよーん

ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜はーーい！！

从*´∇｀）∩＜わかりましたーー！！


とりあえず、ザワザワが落ち着きある教室内。
しかし、夏焼は相変わらず教科書のハダカのイラストに拒否反応。
菅谷がフツーに教科書を見ている一方で、全く教科書を見れていない。


ﾉﾉ*∂_∂ﾙ oO（な、なんで梨沙子。そんな冷静に教科書見れるんだろ・・・）

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ oO（って言うか、一緒に教科書見るの・・・気まずい）


そんな夏焼の気も知らず・・・。
授業を進めていく斉藤先生。


ﾉﾉ “ З.“)＜そうねぇ、誰かに教科書読んで貰おうかしら・・・。

ﾉﾉ “ З.“)＜じゃぁ・・・

ﾉﾉ “ З.“)つ＜日直の夏焼さ〜ん。４３ページの最初から読んでくれる？

Σ ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜えー！！あ、あたしが読むんですか？！！！


思いっきり声のうわずる夏焼。
教室中が「夏焼キター！！」の空気になる。


ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜キャー！みやー！！頑張ってー！！

从*´∇｀）＜ファイト、みやー！！

ﾉﾉl|l∂_∂ﾙoO（そ、そんな。頑張ってと言われても・・・）

ﾉﾉ*∂_∂ﾙつ□＜え、えっとぉ・・・


明らかに動揺しながらも、
渋々と本を読み始める夏焼――。


ﾉﾉ*∂_∂ﾙつ＜し、思春期になると・・・お、女の子の体は・・・えっと・・・

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜著しく成長をきたして・・・

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ ｶｰ ＜あ、あの・・・しょ・・・初潮が・・・　

ﾙ ’ｰ’ﾘｎ ﾆﾔﾆﾔ ＜みやー！聞こえないよーー！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ∩＜ウソつけー！！聞こえてないワケないでしょ！！もも！！

ﾉﾉ*∂_∂ﾙつ＜えっと・・・で・・・ち、乳房が大きくなり・・・

从*´∇｀）∩＜みやは思春期なのに、大きくならないねーー！！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ∩＜うっさいなー！もう！バカ、ちぃ！！死ね！！！

ﾉﾉﾒ∂_∂ﾙつ＜つーか、コロス！！

ﾉﾉ；“ З.“)つ＜夏焼ちゃん。落ち着いて、落ち着いて・・・


そんなこんなでアワアワしつつも、
なんとか最後の方まで読み上げていく夏焼。
クラスメイトはそんな夏焼を、ニヤニヤしながら見守っている。


川*＾∇＾)＜・・・・・・・・・・。

川*＾∇＾)つ＜ねぇねぇ、ちーちゃん

从*´∇｀）＜ん？なに？くまいちゃん

川*＾∇＾)＜なんかみやってさぁ・・・。保健体育の授業で、いつも必ず読まされてない？

从*´∇｀）＜うん、そうそう！

从*´∇｀）＜みやさ、読むとき物凄い恥ずかしがるから

从*´∇｀）∩＜斉藤先生が面白がって、いつも当てるんだよね〜

ﾙ ’ｰ’ﾘ＜そう。恥ずかしがるから、みんなにからかわれるのにね・・・

ﾙ*’ｰ’ﾘ＜カワイイよなーー。みや


どーにか最後まで読み終えた夏焼。
真っ赤な顔で、席へと座り込む。


ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜・・・・・・・・・・・・・。

州*‘ ‐‘ﾘ＜・・・・・・・・・・・・・・。

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜・・・・・・・・・・・・。

州*‘ ‐‘ﾘ＜・・・・・・・・・・・・・。

州*‘ o‘ﾘつ＜ねぇ、みや・・・。

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜ん？

州*‘ ‐‘ﾘつ＜顔、真っ赤だよ。大丈・・・・

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ∩＜うっさい！！！バカ梨沙子！！！！
　　　
州；‘ o‘ﾘ oO（あぁーー！また、バカって言われたーーーーーー！！！！）


こうして・・・。
大人気ない夏焼が、罪のない菅谷に当り散らしている頃――。


从oﾟーﾟ从＜えっとぉ・・・食費支出から消費支出を・・・割ることの・・・

川 ´･_･｀ﾘ＜？？

川 ´･_･｀ﾘつ＜ねぇねぇ、まーさん・・・

从oﾟ ‐ﾟ从＜ん？なに？佐紀ちゃん

川；´･_･｀ﾘ＜家庭科の教科書開いて、なにやってるの？

川；´･_･｀ﾘ＜今、保健だよ？

从oﾟーﾟ从＜ん〜？須藤家のエンゲル係数出してるの

川；´･_･｀ﾘ＜え、エンゲル係数？

从oﾟーﾟ从つ＜最近は飽食の時代だから。エンゲル係数を管理して、バランスよく食事を取らなきゃね！！

川；´･_･｀ﾘ＜は・・・はぁ・・・。そうですか・・・

从oﾟーﾟ从∩＜そして、×１００でパーセンテージどーーーん！！


大人気ない夏焼とは裏腹に。
大人を通り越して、なんだか主婦っぽい須藤であった・・・。







ＡＭ１１：３５――　４時限目：現代国語


川‘〜‘）||＜みなさん、おはよー！！


４時間目は現国。
挨拶しながら入ってきたのは、国語の飯田先生。


川‘〜‘）||＜それでは、今から現国の授業を開始いたします。

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜起立、礼、着席！！！


日直の夏焼の号令で挨拶する一同。
全員着席した後、飯田が日直の夏焼を教壇に呼ぶ。


川‘〜‘）||＜それじゃぁ、夏焼さん悪いんだけど・・・

川‘〜‘）||つ□＜このプリントをみんなに配ってくれるかなぁ？

ﾉﾉ ∂_∂ﾙつ＜はーい！わかりました！！

川‘〜‘）||＜えーと、みなさん。

川‘〜‘）||＜今日の現国は、資料をみながら授業を進めたいと思います。

川‘〜‘）||つ＜プリントが配られたら、ざっと目を通してくださいね

ﾙ ’‐’ﾘ＜はーーい。


前の席から順に配られるプリント。
嗣永は一枚取り、後ろの徳永に渡す。


ﾙ ’‐’ﾘつ□＜はい、ちーちゃん

从*´∇｀）つ＜ありがとー

ﾙ ’ｰ’ﾘつ□oO（教科書じゃなくて、プリントで授業か・・・）

ﾙ ’ｰ’ﾘoO（なんのプリントだろ？）


そんな事を考えながらプリントに目を通す嗣永。
すると、そこには・・・。


ﾙ ’ｰ’ﾘつ□＜・・・・・・・・・・・・。

ﾙ；’‐’ﾘ＜んぁ？

Σ ﾙl|l’‐’ﾘ oO（あいだみつを、キター！！！！！！）

从；´∇｀）oO（うわっ！あいだみつをかよ！！！）

从；ﾟ ‐ﾟ从 oO（確かに飯田先生って、あいだみつを好きそーーー！！）


よりにもよって、授業の課題があいだみつを！
ドン引きのクラスメイトにも気づかず、すっかりご満悦の飯田先生。
自信たっぷりに微笑んでいる。


川‘〜‘）||＜みんな目を通してくれたーー？？

川*‘〜‘）||＜フフ、ステキな詩でしょ？みんな！！

ﾙ；’‐’ﾘ＜は・・・・はぁ・・・

从；´∇｀）＜そ、そうですね・・・

川‘〜‘）||＜うーーん。なんていうのかなぁ〜

川‘〜‘）||＜先生ね。こう言う忙しない時代だからこそ・・・

川‘〜‘）||つ＜生徒達みんなに美しい文章を見てもらって、

川‘〜‘）||＜ホンのちょっとでも、心にゆとりを持って欲しいな〜って思うの・・・

ﾙ；’‐’ﾘ oO（うわっ！飯田先生語りだした！！）

从；´∇｀）oO（うっぜーーーー）

川*‘〜‘）||＜ね！みんな！なんか心が安らぐでしょ？！

ﾙ；’‐’ﾘ＜え、えぇ・・・・たぶ・・・ん


言葉を濁す以外に返答のしようのない嗣永。
飯田先生が不憫で、なんだか否定できない。


ﾙ；’‐’ﾘｎ＜ヒソヒソ（ねぇねぇ。なんか先生・・・キラキラな目で語ってるよ。ちーちゃん）

从；´∇｀）つ＜ヒソヒソ（ほ、ほら！熊井ちゃん。先生に同意してあげなよ）

川；＾∇＾)＜ヒソヒソ（えー。ヤダよ。怖いよーーー）


そんな感じで・・・。
明らかに飯田先生とクラスメイトで、温度差が違うあいだみつをの詩。
しかし。クラスの中で、ただ１人――。


从*;’w’;) ｼﾞｰﾝ…

从*;’w’)＜す、素晴らしい・・・

从 ;’w’)∩＜人間って素晴らしい！！！

ﾙ；’‐’ﾘ＜ま、まいはっち・・・？

川‘〜‘）||＜あら、石村さん！！！

川*‘〜‘）||つ＜わかる！？やっぱり解かる？！！この詩の美しさが？！！

从*;’w’)＜はい！！私、こんなに感動したの初めてです！！！

从*;’w’)∩＜人間だから！人間だからっ！！

川*‘〜‘）||＜そう、人間だから！！！


すっかり意気投合する２人と、
すっかり置いてけぼりのクラスメイトたち。


ﾙl|l’‐’ﾘ oO（うわーーー。この２人、怖えー！！！）

川；＾∇＾)＜な、なんか悩みでもあるのかな？舞波・・・

从；´∇｀）つ＜そ、そーいえば。舞波っちがこの間・・・

从；´∇｀）＜新宿駅西口で、尾崎豊を歌い上げる流しのギターリストの路上ライブを・・・

从l|l´∇｀）つ＜体育座りで食い入るように見つめてたのを、ちぃ、目撃したよ！！

川；＾∇＾)＜そ、それはキケンすぎだね・・・

从l|l´∇｀）＜ごめん、怖くて声、かけられなかった・・・。

ﾙ；’‐’ﾘ＜な、なんだろ？舞波にもっと優しくしてあげた方がいいのかな？あたしたち・・・

从；´∇｀）つ＜そうだね。きっと色々溜まってるんだよ・・・舞波っち


こうして嗣永たちが、
石村の奇行に色々と不安を感じてあげている頃。
窓際の席では・・・。


州*‘ ‐‘ﾘ＜ねぇ、ねぇ、みや・・・

州*‘ o‘ﾘつ□＜この人さ！すっごい字、ヘタクソじゃない？！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜シーー！！そう言うことは、思っても言わないの！梨沙子！！


あいだみつをの世界を、
真っ向から全否定する菅谷なのでありました。






ＡＭ１２：２５――　お昼休憩


キーンコーンカーンコーン。
鳴り響くチャイム。ざわつく教室内。
お昼の休憩時間。
夏焼と菅谷と徳永と熊井と清水と須藤。
窓際の夏焼の席の周辺で、６人は机をくっつけてお弁当を広げている。


州*‘ o‘ﾘつ□＜わー！見て見て！！みやーー！！

州*‘ o‘ﾘ＜今日、ハンバーグだよ。あたしんち！！！

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ＜ホントだー。美味しそ〜。

州*‘ o‘ﾘつ＜みやは〜？

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜うちは、から揚げ。

州*‘ ‐‘ﾘ＜あ、でも。みやのお弁当も、すっごいいいニヨイ！！

从*´∇｀）つ＜ねぇねぇ、りーちゃん！

从*´∇｀）＜ウチのしょうが焼きあげるから、ちょっとだけハンバーグ食べさせてー！！

州*‘ o‘ﾘ＜いいよー。食べてー！！

川*＾∇＾)＜わ！まーさんのお弁当、麻婆豆腐入ってるよ！！

从oﾟーﾟ从＜昨晩の残りなんだけどねー

川*´･_･｀ﾘ＜えー。スッゴイ美味しそう！！！麻婆豆腐！！

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜おー！佐紀ちゃんちは、そぼろ弁当だねー！

川*´･_･｀ﾘ＜うん。そぼろ、好きだから嬉しい！！


色々なオカズのニオイが漂う教室内。
夏焼たち６人はお弁当を見せあいっこして、
キャイキャイいいながら、お互いのお弁当をつまみ食いしたりしている・・・・・のだが。


Σ 从；´∇｀）＜げっ！！！！

从；´∇｀）つ＜く、熊井ちゃん！納豆入ってるよ！！！お弁当に！！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜うわっ！ホントだ！キモい！！！

川；＾∇＾)∩＜ちょっとー！キモい言わないでよー、みや！納豆美味しいんだから！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙつ＜いや、いや！納豆は美味しいけど。フツー弁当に入れないって！！

从；ﾟーﾟ从∩＜絶対、キモいって！！！

川；＾∇＾)＜キモくなーーーい！！！


そんな感じで、熊井家特製の「納豆弁当」にビビリまくっている一同。
なんだか賑やかでかしましい、お弁当の時間。
だが・・・。


川*＾∇＾)＜・・・・あれ？

川*＾∇＾)＜ねぇねぇ、そーいえば舞波っちは？

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜あれ？そう言えば、いないねぇ？


ふと、辺りを見渡す夏焼。
すると・・・石村がお昼を食べずに、自分の机で『小説 持統天皇』を読み続けているのに気づく。
石村に声をかける夏焼。


ﾉﾉ ∂_∂ﾙ∩＜ねー！舞波！！

Σ 从　’w’)＜ん？

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜もう、休憩時間だよ。お昼食べないの？


すると石村、ちょっとアワアワした様子で。


从；’w’)＜あ・・・うん。

从；’w’)つ＜おなか空いてないし・・・小説読み終えたいから。

从；’w’)＜私は、あとで食べるよー

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜そう。ならいいんだけど・・・

从；’w’)＜うん、ごめんねー。

从；’w’)＜・・・・・・・・・・・・・。

从；’w’)oO（お弁当忘れたなんて、なんかみんなに言い出しづらいもんなーー）

从；’w’)oO（みんなお弁当の交換こで、あんなに盛り上がってるのに・・・）


そう。実は石村は、お弁当を自宅に忘れてきてしまったのだ。
そして致命的なことに、現在、財布の中身は７１円。
今の石村舞波には、「小説 持統天皇｣を読み続ける以外に、お昼の休憩時間にする事の選択肢はなかったのであった。
しかし・・・。
そんな可哀想な舞波のことなど、夏焼たちは知るよしもなく・・・。


ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜舞波、お弁当後で食べるってー

从；´∇｀）∩＜付き合い悪いなー。舞波っち・・・

川*＾∇＾)＜みんなで食べた方がオイシイのにねー

州*‘ o‘ﾘ＜・・・・・・・・・・・・あれ？

州*‘ o‘ﾘ∩＜ねぇねぇ、みや・・・そう言えば。

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜ん？

州*‘ ‐‘ﾘつ＜ももちもいないよ・・・

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜ん？もも？

从；ﾟ ‐ﾟ从＜あぁ、ももは・・・・

ﾉﾉ；∂_∂ﾙつ＜弁当忘れたから、里田のオッサンの所にタカリに行くって言ってた・・・



その頃――。
『縁夷逗女子中学校』校務員室では、
校務員の里田まいに、ほうじ茶をお酌しながら、出前のラーメンをゴチになっている嗣永がいた。


ﾙ ’ｰ’ﾘ＜いやー！！昨日のカッタスの試合、サイコーでしたよね！！

川 *‘ゝ‘*||つ＜だよね！だよね！サイコーだったよね！

川=‘ゝ‘=||∩＜さすが嗣永ちゃん！解かってるねーー！！

ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜特に、ＰＫでの辻さんのスーパーセーブ！！

川 *‘ゝ‘*||＜そうなの！！そうなの！！凄かったのよ、アレ！！！

川*‘ゝ‘*||∩＜ののたんは、奇跡！！

川 *‘ゝ‘*||つ＜ほら、嗣永ちゃん！いいから、ギョウザも食べなさい、ギョウザ！！

ﾙ ＾ｰ＾ﾘ＜ありがとーございまーす！！！


嗣永の悪魔の口車に乗せられて、すっかり上機嫌の里田のオッサン。
そう、里田のオッサンは、自分の推しサッカーチーム（Ｊ２の『カッタス』）を褒められると、ついつい何でもかんでも大盤振る舞いしてしまう、
ミナミに店を構える虎ファンの居酒屋亭主の様な校務員なのであった。
そして嗣永は、弁当を忘れると必ず、里田のオッサンの所へ昼飯をタカリにくるのであった。




こうして――。

石村がお弁当を忘れたけど誰にも言えず・・・
１人空腹を紛らわす為に、「小説　持統天皇」を黙々と読み続けている頃・・・。
校務員の里田のオッサン相手に、ラーメンをタカっておなか一杯の嗣永。
そんな正反対の２人は、
同じ『縁夷逗女子中学校』、同じ２年Ｂ組の生徒なのでありました・・・。

ＡＭ１３：２５――　５・６時限目：家庭科


５・６時間目はクラス全員、調理室に移動。
今日の家庭科は、調理実習です。
後藤先生が教壇に立って、今日の課題についてを説明している。


（　´ Д ｀）＜今日は、みんなに調理実習として・・・

（ *´ Д ｀）＜お鍋を作ってもらいまーす！！

（　´ Д ｀）＜みなさんグループごとに、どんなお鍋を作るか考えてきましたか？

ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜はーーーーい！！

（　´ Д ｀）つ＜じゃぁ、今からみんなで調理実習をしちゃってくださーい！！

（ *´ Д ｀）＜解からないことがあったら、なんでも聞いてね

（　´ Д ｀）＜では、始め！！！


後藤先生の開始の合図と共に調理実習スタート。
各グループごとに、料理が開始されます。
まずは、Ａグループ。
Ａグループは、夏焼と菅谷とその他のメンバーでスキヤキを作ります。


ﾉﾉ ∂_∂ﾙつ＜じゃぁ。みんな、材料出してー


夏焼の呼びかけに、
それぞれＡ班のメンバーが、担当した具材を並べて行く。


ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜えーーーと。

ﾉﾉ ∂_∂ﾙつ＜タマネギでしょ、焼豆腐でしょ、白滝でしょ、白菜でしょ、ネギでしょ・・・

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜あれ？肝心の牛肉は？？

州*‘ ‐‘ﾘつ＜あるよー。朝、調理室の冷蔵庫に入れといたのー。


菅谷は冷蔵庫へ向かい、ゴソゴソと牛肉を取り出します。
すると、冷蔵庫から出てきた牛肉は『ＫＩＮＯＫＵＮＩＹＡ』と書かれた袋に包まれていたのでした。
そして菅谷が袋から取り出すと、それはまるで代議士先生へのお中元の贈り物。
キレイに箱詰めされた霜降り牛が、そこにあったのです。しかも、松坂牛の『血統書』付きで・・・。


ﾉﾉl|l∂_∂ﾙ＜・・・・・・・・・・・・・。

州*‘ ‐‘ﾘ＜ん？どうしたの？みや・・・

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜いや。あの・・・

ﾉﾉl|l∂_∂ﾙつ＜い、一体いくらしたの？梨沙子。その物体・・・

州*‘ o‘ﾘ＜聞きたい？

ﾉﾉ；∂_∂ﾙつ＜ごめん！！やっぱ聞きたくない！聞きたくない！！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜・・・・・・・・・。

ﾉﾉl|l∂_∂ﾙ∩＜でも。聞きたくないけど、どっちみち清算しなきゃいけないから・・・聞かなきゃダメだよね

州*‘ o‘ﾘ＜・・・・・・・・・・・。

州*‘ o‘ﾘ＜タダだよ

Σﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜え？！！

州*‘ o‘ﾘつ＜なんかね。パパあてに送られてきたの・・・

州*‘ ‐‘ﾘ∩＜でも、お肉飽きたからいらないって。家庭科の実習に持っていけって、パパが・・・

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜ま、マジで？？

州*‘ o‘ﾘ＜うん！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜タダで食べていいの？

州*‘ ‐‘ﾘつ＜特にみやにはお世話になってるもん。いっぱい食べて！！

ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜･・・・・・・・・・・・・・・・。

ﾉﾉ ∂_∂ﾙつ＜梨沙子。愛してる。

州*‘ o‘ﾘ＜え・・・・。

ﾉﾉ*∂_∂ﾙ∩＜本気で愛してる！！！愛してる梨沙子！！！！！


そう言って、菅谷を力強く抱きしめる夏焼。
されるがままの菅谷。

こうして・・・。

松坂牛のお陰で、夏焼が生まれて初めて素直な気持ちで心から、
「愛してる」と言う言葉を菅谷に伝える事が出来た、丁度その頃・・・。
一方のＣグループ。
メンバーは、嗣永、熊井、須藤の３人。
このグループは『チゲ鍋』を作る・・・・・ハズだったのですが。


Σ ﾙ；’‐’ﾘ∩＜ねぇ、見て見て！！！まーさん！！

ﾙ；’‐’ﾘつ＜みやたち、スキヤキだよ、スキヤキ！！！

ﾙ；’‐’ﾘ＜お肉だよ、お肉！！！

ﾙ；’‐’ﾘ＜なのにももたちは『チゲ鍋』とか・・・なんかズルくなーい！！！？

从；ﾟーﾟ从＜うーーん。言われて見れば・・・

从oﾟ ‐ﾟ从＜なんか、損した気分ではある。

ﾙ ’‐’ﾘ＜でしょーーーー！！！


Ａ班の『霜降りスキヤキ』を見て、ご立腹の嗣永。
そもそも『チゲ鍋』で提案したのは自分達なのだから、
ズルイも何もないのだが・・・。
夏焼たちの「お肉」を目の前にした飢えた野獣の嗣永に、「理屈」の２文字はないのであった。


ﾙ；’‐’ﾘ∩＜クッソー！！こんな事なら、ももも『てっちり』とかにすれば良かったー！！！

从；ﾟ ‐ﾟ从＜でも。今更、鍋を変更しても、準備のしようがないしね。

从oﾟ ‐ﾟ从つ＜『てっちり』にしたところで、フグがないし

ﾙ；’‐’ﾘ＜だよね・・・。

ﾙ ’‐’ﾘつ＜すぐ裏の『縁夷逗川』で泳いでないかな？・・・フグ

从oﾟ ‐ﾟ从＜ダメだよ。ウチら免許がないから、フグさばけないもん

川；＾∇＾)＜って、そう言う問題かなぁ・・・


２人の暴走っぷりに、あの熊井がツッコむほどの非常事態。
嗣永と須藤の２人は、なんとか自分達の鍋を『ゴージャスな鍋』に変えるべく
アレコレと試行錯誤をするのであったが・・・


ﾙ ’‐’ﾘ＜何にするのがいいかな、くまいちょー

川；＾∇＾)＜うーーーん

川*＾∇＾)つ＜チゲ鍋のつもりだったから・・・

川；＾∇＾)＜豚肉と豆腐と白菜と水菜とくずきりと長ネギがあるけど・・・

ﾙ ’‐’ﾘ＜豚と豆腐と白菜、水菜、くずきり、長ネギ・・・

ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜あ！！！

ﾙ ’ｰ’ﾘつ＜よし！！しゃぶしゃぶに変更しよう！！！

川；＾∇＾)＜え？！しゃぶしゃぶ！？

ﾙ ’‐’ﾘつ＜『スキヤキ』に対抗できる鍋と言ったら、『しゃぶしゃぶ』でしょ？！！

ﾙ；’‐’ﾘ＜みやたちＡ班が『スキヤキ』なんて、日本を代表する『贅沢鍋』を食ってるのに、

ﾙ；’‐’ﾘ∩＜ウチらＣ班は『チゲ鍋』なんて『韓国の庶民の食べ物』を食ってたら、

ﾙ ’‐’ﾘ＜Ｃ班、末代までの恥！！

ﾙ ’ｰ’ﾘ＜『スキヤキ』に対抗できる贅沢鍋は、もはや『しゃぶしゃぶ』しかない！！

从oﾟ ‐ﾟ从＜な、なるほど・・・一理あるかも

川；＾∇＾)oO（みやたちに対抗する意味が、イマイチ解からないけどね・・・）


そう。比較的お金持ちの家に生まれ、『夏焼・菅谷寄り』の感性を持つ熊井には、
嗣永たち庶民の『金持ちに対する劣等意識』は理解できないのでありました。


ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜よし！！と言う事で・・・

ﾙ*’ｰ’ﾘ＜ももたちのグループ鍋は『しゃぶしゃぶ』に決定！！！

从oﾟーﾟ从＜了解！！！

川*＾∇＾)＜はーーい。

川*＾∇＾)＜まぁ『豚しゃぶ』ならね、材料もほとんど『チゲ鍋』と一緒だし、ポン酢は調理室にあるしね！！


とりあえず納得する熊井。
だが・・・・。


ﾙ ’‐’ﾘ＜ん？！豚しゃぶ？

川*＾∇＾)＜え？・・・なに？ももち？

ﾙ ’‐’ﾘつ＜違うよ、くまいちょー！！豚しゃぶじゃないよ。しゃぶしゃぶだよ、ウチら

川；＾∇＾)＜へ？？

ﾙ ’‐’ﾘつ＜『豚しゃぶ』なんて、『チゲ鍋』より地味じゃん！

ﾙ ’ｰ’ﾘ＜牛肉の『しゃぶしゃぶ』だって！ウチらが食べるのは・・・

川；＾∇＾)＜え？でも・・・

川；＾∇＾)つ＜肝心の牛肉がないじゃん・・・

ﾙ ’ｰ’ﾘ＜それに関しては、大丈夫！！


自信満々に頷く嗣永。
嗣永は自分達のグループの席を離れる。
そして、そんな嗣永がテクテク向かって行った先は・・・。


ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜ねーー、みーやん！！

ﾙ*’ｰ’ﾘ＜ももたちのグループに、お肉分けてーーん！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜えーー？！！なんで？！！

ﾙ*’ｰ’ﾘ＜ねー。お願い！！豚肉分けてあげるからー

ﾙ ’ｰ’ﾘつ＜豚肉のスキヤキも、きっと美味しいよ！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜うーーん。

ﾙ ’ｰ’ﾘ＜あと、くずきりも分けてあげる。スキヤキに入れると、案外イケるんじゃん？

ﾙ ’ｰ’ﾘつ＜試した事ないけど。きっとオイシイよ！！

ﾙ ＾ｰ’ﾘ＜ね、ね！みーやん。超〜愛してる！！超〜イケメン！！

ﾉﾉ；∂_∂ﾙ＜うーーん。どうしよっかな・・・

州*‘ o‘ﾘ＜あーでも。スキヤキにくずきりオイシそうじゃない？みや−。

ﾙ ’ｰ’ﾘつ＜でしょ？！さっすがりーちゃん！！

ﾙ ＾ｰ’ﾘ∩＜料理上手は目の付け所が違うね！！

州*‘ ‐‘ﾘ＜エヘヘ

ﾉﾉ；∂_∂ﾙつ＜ハァ。梨沙子が言うなら、しょうがないか・・・。

ﾉﾉ ∂_∂ﾙつ＜じゃ、ちょっとだけだからね

ﾙ*＾ｰ＾ﾘ＜ありがとーございます。お代官様！！ヘヘー！！！


豚肉とくずきりとお世辞で、無理やり牛肉と交換交渉する嗣永。
渋々ながら牛肉（松坂）をおすそ分けしてくれる、超太っ腹の夏焼と菅谷。
そんな嗣永を遠くから見て、熊井と須藤は心の底から思うのであった。


川；＾∇＾)从*ﾟ ‐ﾟ从 oO（Ｃ班、末代までの恥だ・・・）








さて。
こうして、嗣永が無事に牛肉をＧＥＴして浮かれている頃――。
残るＦ班は大変な事になっていた・・・。


从l|l’w’)＜・・・・・・・・・・・・・。


Ｆ班は『鳥きのこ鍋』のつもりだったのだが・・・。
Ｃ班の嗣永が無理やりＦ班の「エリンギ」と「えのき」と「しめじ」を、「しゃぶしゃぶに入れたい」と言う理由で大量に持って行ってしまったのだ。
その代わり、嗣永はいらなくなった「エバラ・キムチ鍋の素」をＦ班の所にお礼として置いて行ってくれたのだが・・・


川；´･_･｀ﾘ＜うーん。なんか鍋が変な色になってきたね

从；´∇｀）＜やっぱ、キムチ鍋の素、入れなきゃよかったかな？


Ｆ班の鍋の中でブクブクと煮立つ、赤黒い液体。
それはさながら『血の池地獄』か『サバトの儀式』か・・・。
赤黒い液体から鶏肉の足の部分が出ているのが、ますます黒魔術っぽい。


从l|l’w’) oO（な、なにこれーーーーー！！！）

从l|l’w’) oO（佐紀ちゃんとちーちゃん。一体、何をしたら『キムチ鍋の素』が、こんな色になるのー？？


そう・・・。石村が嗣永に命令され、
雑炊にするための「お冷のご飯」を、学食のおばちゃんのところに貰いに行ってる僅かの間に・・・
Ｆ班のお鍋は、みるも無残な『暗黒鍋』と化していたのでありました。
これは実は、レシピ本に書いてあった「醤油：大匙１杯」を「醤油：大瓶１杯」と読み間違えた清水が、
鍋の中に「瓶まるまる一本分」の醤油を入れてしまった為に起こった事態。
それにさらに「キムチ鍋の素」が混ざったため、見るも無残な赤褐色と化してしまったのだ。


从*´∇｀）＜でもまぁ・・・

从*´∇｀）∩＜レシピ本のとおりに作ってるから、きっとこれでいいんだよね！

川 ´･_･｀ﾘ＜そうだね。本の通りだから、間違いない！！

从；’w’)つ oO（・・・・って。いいわけねーーー！！）

从；’w’) oO（こんな色の鍋。エコエコアザラク以外で、見たことねーーーよ！！！）


どっからどー見ても『尋常じゃない色』の暗黒鍋。
それを目の当たりにしても尚、「間違いない」と断言する清水と徳永。
そんな料理下手キング２人に挟まれて、もはや石村は生きた心地はしなかった。
とりあえず、食べてるフリして極力食べないようにしようと思っていた。
しかし。人生とは兎角、儚く無常なものでございます。


川 ´･_･｀ﾘ＜じゃぁ、そろそろ食べよっか。鳥キノコ鍋

从*´∇｀）＜そーだね！

从*´∇｀）つ□＜じゃ、舞波っち・・・沢山よそったから、たーっくさん食べてね！！！

从 ’w’)＜え・・・

从l|l’w’)＜えぇえええええ？！！

从l|l’w’)つ＜ちょ、ちょっと待って！！なんで私が沢山食べるの？！

从*´∇｀）＜なんでって・・・。だって舞波っち、お昼ごはん食べてないでしょ！！

川 ´･_･｀ﾘ＜そうだよ。結局、お昼ご飯食べてなかったじゃん、舞波！！

从；’w’)＜い、いや。そ、それは・・・その・・・・

从*´∇｀）＜だいたいさー。お弁当忘れたなら忘れたって言ってよ！水臭いじゃん、舞波っち

川 ´･_･｀ﾘ＜そうだよ！友達でしょ？水臭いじゃん！！！

川 ´･_･｀ﾘつ＜だから。せめて舞波にお鍋を沢山食べて貰おうって、ちーちゃんとさっき話してたの

从*´∇｀）つ＜うん。おなか空いてるでしょ？舞波っち。いっぱい食べてね！！

川*´･_･｀ﾘ＜そうだよ。ウチらはお昼ごはん食べて、お腹いっぱいだからさぁ。

川*´･_･｀ﾘつ＜遠慮しないでいいよ。舞波っち。好きなだけ食べてね

从；’w’)つ＜い、いや。その。え、遠慮はしないでって・・・言うか・・・その・・・

从l|l’w’) oO（な、なに、この、罰ゲエム・・・・）

从l|l’w’) oO（何故、私がこんな目に・・・）

从　;’w’) oO（ごめんなさい。お母さん、お父さん。・・・・先立つ不幸をお許し下さい）


胸に手を当て、思わず十字を切る。
石村は思った。
多数の米軍が包囲する中に放り出されたひめゆり部隊の学生達は、きっとこんな気持ちだったのだろう・・・と。
世知辛い世の中に対する、嘆きと恨みと名残。
そして決死の覚悟だけを胸に秘め、石村は勇気を持って『暗黒鍋』を一口食したのであった！！！
それはさながら、荒崎海岸で自決する、ひめゆりの女生徒達の如く。
・・・・・・・・・・・。
そんな悲劇の少女、石村舞波。
その後、彼女が保健室に担架で運ばれていく姿を、隣のクラスの矢島が目撃したとかしないとか・・・。


こうして――。
1人の少女が、清水・徳永の最凶料理ベタコンビの手により、尊い生贄の歴史を刻み、涙していた頃。
Ａ班の牛肉をおすそ分けしてもらった、Ｃ班のテーブルでは・・・


Σ ﾙ；’‐’ﾘ∩＜う、うまい！！！！

ﾙ；’‐’ﾘ＜す、凄い。なに？これ！！このお肉、凄すぎる！！！

ﾙ*’ｰ’ﾘ＜舌に触れては溶け、触れては溶け！！

ﾙ*’‐’ﾘ∩＜さながら、頬に降り注いでは消え行く『キリマンジャロの新雪』が如く！！！

ﾙ ;’ｰ’ﾘつ＜素晴らしい！世の中にこんなに美味い牛肉が存在していたなんて・・・。

ﾙ*;’‐’ﾘ＜りーちゃんちのお肉、美味い！美味すぎる！！

ﾙ*;’ｰ’ﾘ∩＜ブラボーーーー！！！松坂牛ブラボーーーー！！

ﾙ*;＾ｰ＾ﾘ∩＜りーちゃんブラボーーーーー！！！

从；ﾟーﾟ从つ＜お、おちつけ、ももーー！！！

川；＾∇＾)つ＜おもっきり、みんなにみられてるよ、ももーーー！！！


生まれて初めて食べる松坂牛のしゃぶしゃぶの味に、
本気の本気で涙を流す、嗣永がいた・・・。









ＡＭ１５：３５――　帰りのＨＲ


キーンコーンカーンコーン。
鳴り響くチャイム。帰りのＨＲの時間。
中澤先生が教室に入ってくる。


ﾉﾉ ∂_∂ﾙ＜起立！礼！着席！！


日直の夏焼の挨拶で始まるホームルーム。
朝のＨＲと変わらぬ展開、変わらぬクラス。・・・の・・・ハズ・・・なのだが。


从；~∀~从＜・・・・・・・・・。

从；~∀~从＜えっと。

从；~∀~从つ＜い、石村は何処行った？石村は？

川 ´･_･｀ﾘ∩＜保健室に行きました。

从l|l~∀~从＜ほ、保健室？どーしたん？

川 ´･_･｀ﾘつ＜なんか、調理実習の際に、急に顔色が緑色になったそうです！！！

从；~∀~从＜な、なんで？なに毒？

川 ´･_･｀ﾘ＜原因は不明です！！

从；~∀~从＜そ、そう・・・。

从#~∀~从＜って言うか。

从；~∀~从つ＜・・・嗣永！！

从#~∀~从＜なに、さっきからヘラヘラ笑っとんねん！アンタ！

ﾙ ＾ｰ＾ﾘ＜ウフ、ウフフフフ・・・・


中澤の目線の先には、生まれて初めて食べた松坂牛の味が忘れられず・・・
今だ『夢の国の住人』と化していた嗣永がいた。
ずーっと「ウフフ、ウフフ」と笑ってるだけの嗣永は、いつも以上のキモさと迫力があった。


从；~∀~从つ＜つーか。ど、どーしたん？この子？？

从oﾟ ‐ﾟ从∩＜なんか、嗣永さん。結婚するなら「男より松坂牛のオス」って言ってました。

川；＾∇＾)∩＜しばらくは現実世界に戻って来れないと思います！！


ついこの間まで「オージービーフ」以外、牛肉を食べたことのない嗣永だ。
それがいきなり、松坂牛を食してしまった以上、夢の世界から戻ることが出来ないのも致し方ない・・・。
中澤は「残念な嗣永」の事はさっさと諦め、ふと窓際を見るが・・・そこには。


Σ 从*~∀~从＜！！！！？

从#~∀~从＜つ、つーーーーか！！！

从；~∀~从つ＜ゴルァ！！何やっとんねん、夏焼と菅谷！！！

从#~∀~从＜なに。ホームルーム中に、堂々イチャこいとんねん！！！


そう・・・。
家庭科の授業で夏焼が菅谷に告って以降・・・２人の恋仲は急接近した。
ちょっと前までは、中々素直になれなかった２人なのに。
今ではヘタレの菅谷が夏焼の腰に手を回し、あの夏焼が菅谷の肩に優しく凭れかかる程の関係になっていた。
そして。そんな２人のイチャイチャぷりは、もはや、「独身三十路の中澤先生」にとっては「イヤミ」以外の何モノでもなかった。


从；~∀~从つ＜おまえらなぁ！！ア、アタシの前でよくもまぁ、イチャイチャイチャイチャ！！！

从#~∀~从＜殺すよ！！マジで！！！

川；´･_･｀ﾘつ＜お、落ち着いてください！！！中澤先生！！！

从；ﾟ ‐ﾟ从つ＜生徒に向かって殺すはマズイです！！

从；´∇｀）＜そうですよ、中澤先生！！

从；´∇｀）∩＜そんなんだから、いつまで経っても結婚できないんですよー。中澤先生！！！

川l|l＾∇＾)つ＜って・・・ちーちゃん！！！！！！！

从；´∇｀）＜あ。あれ？


こうして徳永が「中澤先生に絶対に言ってはいけない一言」を、思わず口から滑らせてしまい、
生徒一同の顔が、恐怖で「緑色」に変色した頃。
中澤先生の顔色は、みるみる赤色に染まっていった。


从#~∀~从＜ほ、ほほぅ・・・

从；~∀~从つ＜えぇ度胸やなぁ・・・オマエラ！！！

从l|l´∇｀）∩＜す、すみません。先生！！！

川l|l´･_･｀ﾘ＜ごめんなさい！ごめんなさい！！

从#~∀~从＜オマエラゼンイン・・・

从；~∀~从∩＜今日は居残り補習じゃーーーーー！！！！！！



ドカーーーン！！
中澤先生の特大カミナリが２年Ｂ組に落ちる。
爆発オチ。
そして全員、居残りオチ。
そんな、居残りさせられた２年Ｂ（Berryz）組への課題は、
『あいだみつをの詩をノートいっぱいに書き続ける（飯田先生提案）』なのでありました。
そして、保健室から戻ってきた石村舞波は、
ニヤニヤと笑みを零しながらいつまでも「あいだみつおの詩」と戯れ続けるのでありました・・・。



从*’w’)∩＜めでたしめでたし。

ﾙ；’‐’ﾘつﾉﾉ；∂_∂ﾙつ州；‘ ‐‘ﾘつ＜って。めでたくねーーーーーーーよ！！！（舞波以外）

縁夷逗女子中学校の１日 ・・・・了。

以上。長々とお付き合いありあとーございました。

ちなみに。５時間目と６時間目がくっついてるのは手抜きじゃないよ。

調理実習はフツー２時間くっついてるもんだよ！！ホントだよ！！

ﾙ ’ｰ’ﾘ∩＜それではみなさん、ごきげんよう！！