―BERRYZ GIRL‘S KNIGHT 中編―



〇丘陵の野営の陣(深夜)


SE:水音
暗闇の壇上。
スポットライトが菅谷だけを照らす。
暗闇の中で立ち尽くす菅谷。


州*‘ ‐‘リ<・・・・・・・・・ここは。

州*‘ o‘リ<・・・・・・・・・ここは、どこ?


暗闇の中を見回す菅谷。
もう1つのスポットライトが、菅谷の後ろの山崎を照らす。


( 山崎)つ<ここはハロプロの世界・・・

( 山崎)∩<光と闇が交じり合う、灰色の海だ!!


菅谷、後ろを振り返る。


州*‘ o‘リ<!!?

州*‘ o‘リ<お、お父様・・・



( 山崎)<ハローの世界は、醜く淀んだ、混沌の奈落。

( 山崎)<形なき、惨めな流動系の魂!!!

( 山崎)つ<そしてハロメンは、海底に沈み行く人魚の残骸。

( 山崎)<哀れな、声なき犠牲者。

( 山崎)<海の底から助けを呼ぼうとも、誰の耳にも届かない。

( 山崎)∩<助けてくれ・・・助けてくれ!!

( 山崎)<叫びは、ただ泡沫と化し・・・

( 山崎)つ<夢も、希望も

( 山崎)<全ては冷たき水の中だ・・・。




州*‘ ‐‘リ<・・・・・・・・・・。


じっと山崎を見つめる菅谷。
BGM:海のテーマ


州*‘ o‘リつ<♪あなたの〜声は〜寄せ〜る〜波〜

州*‘ ‐‘リ<♪繋いだ〜絆を〜揺ら〜す〜海〜

州*‘ o‘リ<♪振〜り〜向〜く〜た〜びに〜

州*‘ o‘リ<♪モ〜ノ〜ク〜ロ〜の〜

州*‘ ‐‘リ<♪私の〜心は〜流〜れ〜ゆ〜く〜

州*‘ o‘リ<♪時間を〜なくした〜迷路の〜メロディ〜

州*‘ o‘リ∩<♪あの日の記憶は〜ど〜こ〜に〜あ〜る〜



( 山崎)<梨沙子。

( 山崎)つ<愛しい娘よ・・・。

( 山崎)<我が希望を、その胸に抱く娘よ・・・。

( 山崎)つ<お前のその手で、どうかハローの世界を救っておくれ。

( 山崎)つ<暗い暗い水の底から、ハローの人間を救っておくれ。

( 山崎)<梨沙子。



州*‘ o‘リつ<♪あなたの〜声は〜尖〜る波〜

州*‘ ‐‘リ<♪繋いだ〜絆を〜刺〜す〜痛〜み〜

州*‘ o‘リつ<♪あぁ〜あぁ〜あぁ〜

州*‘ ‐‘リ<♪ここは〜蜃気楼〜の〜ステージ〜




( 山崎)<愛する娘よ。

( 山崎)つ<ハローの運命は、お前に懸かっているんだ・・・。

( 山崎)<梨沙子・・・。



山崎のスポットライトが消える。
フェードアウトして行くBGM。
残る水音。
膝から崩れ落ちる菅谷。
暗闇の中に、菅谷1人にスポットライト。


州*‘ ‐‘リ<ハローの世界を救うのは・・・


SE:水音(フェードアウト)
SE:風の音(フェードイン)
やがて暗闇の外から声が割り込む。
清水の叫び声。


川;´・_・`リつ<姫!姫!!!!

州*‘ o‘リ<・・・・・・・わたし


ステージに一斉に照明が灯る。
菅谷を囲むように、清水と熊井が立っている。
ハッとして辺りを見渡す菅谷。


州*‘ o‘リ<こ、ここは・・・。

川;´・_・`リつ<良かった!気づかれたのですね?


ゆっくりと立ち上がる菅谷。


州*‘ o‘リ<わ、わたしは・・・

川 ´・_・`リ<しばらく気を失ってらしたんです

州*‘ o‘リ<・・・・・・・・気を?

州*‘ o‘リ<あ!

州;‘ o‘リつ<ツ、ツグナガの城は?どれぐらいの間、私は・・・

川 ´・_・`リ<大丈夫です。ホンの10分足らずの間です

州;‘ ‐‘リ<そうですか。良かった・・・

州*‘ ‐‘リ<・・・・・・・・・。


何かを思い出したように、しきりに辺りを見渡す菅谷。


川 ´・_・`リ<どうか、なさいましたか?

州*‘ o‘リ<・・・・・みやは・・・

川 ´・_・`リ<ナツヤキは、軍を去りました

州*‘ ‐‘リ<・・・・・そうですか。

州*‘ ‐‘リ<解かりました。

川 ´・_・`リ<本当に、これで、よろしかったのですか?

州*‘ ‐‘リ<・・・・・・・・・・。

州*‘ o‘リつ<えぇ。これで、いいんです。

州*‘ ‐‘リ<これで・・・



風の音が吹き続ける。
黙って菅谷を見つめる、清水と熊井。







〇ツグナガ城・城門前(夜明け前)


かがり火が揺れる。
菅谷、ベリーズをつれて城門前に立つ。
城壁から菅谷たちを見下ろす嗣永。


ル ’‐’リつ<♪黒き〜嵐に〜我〜立〜ち〜ぬ〜

ル ’‐’リ<♪剣は〜いつ〜しか〜虹を憎〜んだ〜

ル ’‐’リ∩<♪今〜闇は こ〜の空に〜際立ち〜

ル ’ー’リつ<♪報われぬ〜お前は〜夢〜の〜狩〜人〜


从o゚ー゚从∩<門を開け〜い!!!


須藤の声を合図に開かれる城門。
城門の前にじっとたたずむ、菅谷とベリーズ。


ル;’ー’リ<久しぶりだな、梨沙子!!

ル ’ー’リつ<我が妹よ!!!!


ベリーズは菅谷に跪き、
菅谷は城壁を見上げる。



州*‘ o‘リ<♪辛き無常の〜過去なりぬ〜

州*‘ o‘リつ<♪夜の〜あなたは〜愛を忘〜れ〜た〜

州*‘ o‘リ∩<♪今〜月は こ〜の空に〜輝き〜〜

州*‘ o‘リつ<♪奮い立つ〜わたしが〜闇を払〜お〜う〜



州*‘ o‘リ<お姉さま・・・お目覚め下さい!!

ル ’ー’リ<フン!たわけが!!!

州*‘ o‘リ<スガヤの国を襲った黒き厄災は全て・・・

州*‘ ‐‘リつ<あなたの心の闇を利用した、イシムラの仕業です!!!

州*‘ o‘リ<あなたは、イシムラに利用されてるのです!!

从 ’w’)<馬鹿馬鹿しい。ツグナガの城に御託を並べに来たのか?!

州*‘ o‘リつ<お黙りなさい、ネズミ!!!

从l|l’w’)<ネズ・・・

州*‘ o‘リ<お願いです、お姉さま。これ以上スガヤのヲタ達を苦しめないで下さい。

州*‘ o‘リ∩<お姉さまの目的は、私だけなのでしょう?

ル ’‐’リ<・・・・・・・・・。

ル ’ー’リ<あぁ、そうだ!!

ル ’ー’リつ<ヲタに愛され、王(山崎)に愛され、全ての人に愛され・・・

ル;’ー’リつ<そんな愛に満ち足りたオマエの、泣き叫ぶ姿!!!

ル ’‐’リ<オマエが醜く悶え苦しむ姿を見ることを・・・・

ル;’ー’リ<私はどれだけ渇望してきたか!!

州*‘ o‘リ<・・・・・・・・・。

州*‘ ‐‘リ<あなたは、父から・・・・・・王から・・・何を学んだのです?!

ル ’‐’リつ<偽りと孤独!!!

ル ’‐’リ<オマエが愛しい故に、王はオマエには『ほたるの星』と言う良作を与え・・・

ル;’ー’リつ<わたしを『子犬ダン』と言う駄作に追いやったのだ!!

ル;’ー’リ<王が本当に期待してたのは、オマエだけだ!!!

州*‘ o‘リ<違うもん!!!

ル;’‐’リ<オマエに何が解かる?!!!

ル ’‐’リ<私は王に愛されることはなかった!!

ル;’ー’リ<期待されることもなかった・・・。

ル;’‐’リつ<人々の愛と期待に包まれ、
  _, ,_
ル ’‐’リ<ハローの幸福の中でぬくぬくと育まれてきたお前に、何が解かる!!?
  _, ,_
ル;’‐’リ<私の、何が解かる?!!!

州*‘ o‘リ<・・・・・・・・・・・。

州*‘ ‐‘リ<もも・・・

州*‘ o‘リつ<あなたの名前は桃。私は梨。

州*‘ ‐‘リ<スガヤの国の最強ユニットはベリーズ・・・。

州*‘ o‘リ<かつて、王は言ってました。

州*‘ o‘リつ<「私は自分にとっての『誇り』に対し、果実の名前を与えた」と・・・。

州*‘ ‐‘リ<自分の『誇り』なる者達の人生に、美しき『実り』あるようにと・・・王は名づけたのです。

州*‘ o‘リつ<もも。あなたは間違いなく、王に愛されていた・・・。

州*‘ ‐‘リ<期待されていた・・・。

州*‘ ‐‘リ<桃子と言う名。

州*‘ o‘リ∩<それが、何よりの証拠です。

ル;’‐’リ<・・・・・・・・・・・。

从 ’w’)<フンッ!くだらぬな。

从 ’w’)つ<果実が瑞々しく『実る』は、

从 ’w’)<ホンのひと時の事・・・。

从 ’w’)<やがて果実は、『腐り行く』が定め!!
   _, ,_
州*‘ o‘リつ<お黙りなさい!!!出歯ネズミ!!

从l|l’w’)<出歯・・・

ル ’‐’リ<・・・・・・・・・・・・・。

ル;’ー’リ<フンっ!!!
  _, ,_
ル;’ー’リ<舞波の言うとおりだな・・・。

ル;’ー’リ<知ってるか?梨沙子。

ル ’‐’リ<桃は実に傷みやすい果物・・・。
  _, ,_
ル;’ー’リつ<ただ置き去りにされた桃は、やがては黒く傷み、腐り行くだけだ!!

ル;’ー’リ∩<今の私のようにな!!!

州;‘ ‐‘リ<お姉さま・・・

州;‘ o‘リつ<何故、解かろうとしないのです!!

州*‘ ‐‘リ<何故、人を信じようとしないのです・・・。
  _, ,_
ル;’ー’リ<黙れ!!梨沙子!!
  _, ,_
ル ’ー’リ<この世で信じられるモノは、己自身のみ!!

ル;’ー’リつ<それが父が私へ教えてくれた・・・たった一つの真実だ!!

ル ’ー’リ∩<茉麻、行け!!!
  _, ,_
ル;’ー’リつ<今すぐ、目障りなこの女を始末するのだ!!!

州;‘ ‐‘リ<どうして・・・。

州;‘ o‘リ<どうして解かってくれないの?!!もも!!!

从o゚ー゚从つ<スガヤの姫よ!!覚悟するが良い!!!!





(BGM:乙女の騎士のテーマ)




スガヤの軍とツグナガの軍で打ち合いが始まる。
ツグナガの兵に囲まれる清水と熊井。
須藤はゆっくりと菅谷に近づく。



川;´・_・`リ∩<・・・クソ!友理奈!姫を守るんだ!!!



だが、ツグナガの兵との打ち合いで、身動きが取れない清水と熊井。
菅谷、懐刀を抜き須藤と刀を交えるが、全く相手にならない。
次第に追い詰められる菅谷。



川;´・_・`リ<ひ、姫!!!!



後のない菅谷。
向かい合う須藤が、剣を振り上げる。
そのとき、舞台袖から颯爽と飛び出し、須藤の剣をなぎ払う夏焼。



ノノ;∂_∂ルつ<梨沙子!!!

州*‘ o‘リ<み、みや!!!

从o゚ ‐゚从<・・・ぬ?何奴??



菅谷の前に立ち、庇う様に剣を身構える夏焼
須藤と真っ向から向かい合う。



川;´・_・`リ<ナ・・・ナツヤキ!!何故、ここに!!

川;´・_・`リつ<早くスガヤの軍から去れと、言ったはずだ!!

ノノ ∂_∂ル<・・・あぁ。私はもうベリーズではない。スガヤの人間でもない。

ノノ;∂_∂ル<だから・・・私は、お前達の指図は受けない!!

ノノ ∂_∂ルつ<私は私のやりたいようにする!!

ノノ ∂_∂ル<私の意志の赴くままに、この女を守る!!!

ノノ ∂_∂ル∩<だからもう、姫とは呼ばないぞ!!梨沙子!!

州*‘ o‘リ<みや・・・・


須藤と数回、剣を交える夏焼。
そして菅谷を庇う様に、剣を身構える


ノノ ∂_∂ルつ<我が命。天に預けた!!!







川 ´・_・`リ川 ^∇^)<♪風は〜ちぎれる〜雲は行く〜〜

ノノ ∂_∂ル州*‘ o‘リ<♪ま〜だ〜恥ずか〜しき〜ハロメンの純〜情〜

川 ´・_・`リ川 ^∇^)<♪誰に〜も〜のぞ〜け〜ぬ〜紅〜を〜

川 ´・_・`リ川 ^∇^)ノノ ∂_∂ル州*‘ o‘リ<♪切〜って〜みせ〜ようか?黒のナイ〜ト〜よ〜



从o゚ー゚从つ<なるほど。貴様がナツヤキだったか・・・

从o゚ー゚从∩<我が名はスドウ!!

ノノ;∂_∂ル<スドウ・・・。ハロー随一の豪腕と謳われた、あの?!

从o゚ー゚从<いかにも!

从o゚ー゚从つ<ベリーズのエースと剣を交えられるとは、まさに光栄の至りだ!!

从o゚ ‐゚从∩<ナツヤキよ!お相手仕る!!

ノノ ∂_∂ルつ<望むところだ、スドウ!!!



从 ’w’)从o゚ー゚从ル ’ー’リ<♪雲は〜ちぎれる〜風は行く〜〜

从 ’w’)从o゚ー゚从ル ’ー’リ<♪今〜麗〜しき〜ハロメンの巡〜礼〜〜

从 ’w’)从o゚ー゚从ル ’ー’リ<♪誰に〜も〜見え〜な〜い〜月影〜を〜

从 ’w’)从o゚ー゚从ル ’ー’リ<♪切〜って〜捨て〜ようか?白のナ〜イト〜よ〜




幾重も須藤と剣を交える夏焼。
だが、須藤に押され気味。
やがて須藤の渾身の一閃を何とかかわすが、刃が左肩を掠める。
僅かに退き、肩を抑える夏焼。




ノノ;∂_∂ル<くっ!さすが、ハロー最強の豪腕と讃えられるだけある

ノノ ∂_∂ル<なかなかやるな・・・。

从o゚ー゚从つ<フン。ベリーズのエースもこの程度か、ナツヤキ!!




向かい合う両者。
肩を抑える夏焼に駆け寄る菅谷。



州;‘ o‘リつ<みや!!

州;‘ o‘リ<もういい!やめて!!
   _, ,_
州;‘ o‘リつ<あなたは逃げて!!お願い・・・みや!!

ノノ ∂_∂ル<言ったハズだ!!私は私の意志で動くと。

ノノ;∂_∂ルつ<戦いを止める権利はないぞ!!梨沙子!!

州;‘ o‘リ<みや・・・・

ノノ ∂_∂ル∩<私に続け!!!



从o゚ー゚从<フッ!そうこなくてはな!!

从o゚ー゚从<まぁ、力の差は歴然だが・・・

从o゚ ‐゚从<命を賭して戦いに挑む者には、全力を尽して迎え撃つが礼儀・・・

从o゚ー゚从つ<尚も手加減はせぬぞ、ナツヤキ!!

ノノ ∂_∂ル<望むところだ!!!




川 ´・_・`リ川 ^∇^)<♪命〜儚〜し〜 我は〜行〜く〜

州*‘ o‘リノノ ∂_∂ル<♪声〜懐か〜しき〜 ハロメンの軍〜団〜

从 ’w’)从o゚ー゚从ル ’ー’リ<♪誰〜に〜も〜見〜せな〜い こ〜の胸〜を〜

从 ’w’)从o゚ー゚从ル ’ー’リ<♪切〜って〜捨て〜ようか〜 白のナイ〜ト〜よ〜

川 ´・_・`リ川 ^∇^)ノノ ∂_∂ル州*‘ o‘リ<♪切〜って〜みせ〜ようか?黒のナイ〜ト〜よ〜



嗣永の軍と菅谷の軍で、しばし剣を交え続ける。
次第に押され気味になる、夏焼とベリーズ。
徐々に暗転。
BGM終了。






〇ツグナガ城・城門前(夜明け前)

  _, ,_
ル ’ー’リ<ハハハハハハハ!!

ル ’ー’リ<口ほどにもないヤツラだ!!!



満身創痍のベリーズと夏焼と菅谷。
4人とも、蹲っている。
膝をつき、地面に手をつき、項垂れている清水を嗣永は蔑んだ目で見下ろす。
清水、余力を振り絞って嗣永をゆっくりと見つめる。


川;´・_・`リ<も、桃子姫・・・

ル ’‐’リ<?!

川 ´・_・`リつ<あなたの事を覚えてます

川 ´・_・`リ<子犬ダンの頃、私があなたの御付として・・・

川;´・_・`リ∩<一緒に作品に取り組んだのを・・・覚えてますか?

川 ´・_・`リつ<あなたは、小さな子犬を抱き・・・

川*´・_・`リ<まるで太陽の様な笑顔で、微笑んでおられた。

川 ´・_・`リ<私は、あなたのすぐ傍で・・・

川 ´・_・`リ<ただ一生懸命に演じるあなたを見つめながら・・・

川 ´・_・`リ<なんて美しい姫なんだと・・・思った

川;´・_・`リつ<「子犬ダン」で、あなたの様な方と共に競演できることを、

川;´・_・`リ∩<私は、心から誇りに思った!!!

ル;’‐’リ<・・・・・・・・。

ル;’‐’リ<もう・・・遅い・・・なにもかも!!!
  _, ,_
ル;’ー’リつ<闇は私を支配した!!!
  _, ,_
ル;’‐’リ∩<今の私は、過去の私とは違う!!!

川 ´・_・`リ<姫!!

川;´・_・`リ<桃子姫。

川;´・_・`リつ<可哀想な姫・・・。

川 ´・_・`リ<あなたのその胸の中には今も、

川 ´・_・`リ<幸せだった頃のハローの思い出が・・・

川;´・_・`リつ<幼かった頃の輝かしいハローの景色が、今も眠っているのでしょう。

川 ´・_・`リ<だからあなたは・・・

川 ;´・_・`;リ<今の自分を。今のハローを・・・憎まずにはいられないんだ。

ル;’‐’リ<黙れ・・・・

川 ;´・_・`リつ<あなたが本当に憎んでいるのは、王でもない!梨沙子姫でもない!!
  _, ,_
ル;’‐’リ<黙れ!!!!

川 ;´・_・`リ<あなた自身だ!!!!
  _, ,_
ル;’‐’リつ<黙れぇーーーー!!!!!!!


剣幕の嗣永。
唇を震わせ、呟く。


ル;’‐’リ<そうだ!!

ル;’‐’リつ<あの頃は、何もかもが光り輝いていた!!!

ル;’ー’リ<この世の全てが、私を祝福してくれてると思った!!!!

ル ’‐’リ<だが、それは幻想・・・。

ル;’ー’リつ<現実は、誰も私を祝福などしてくれなかった!!!
  _, ,_
ル;’ー’リ<子犬ダン・・・。

ル;’‐’リ<私は最大級の愛情と努力で、作品に取り組んだ!!
  _, ,_
ル;’‐’リ<私にとっても、あの作品は『誇り』だった!!

ル;’ー’リつ<だが、なんてことはない。その結果は空席祭だ!!!

ル;’‐’リ<ヲタはみな・・・この作品を見捨てたんだ。

ル;’ー’リ<王もスタッフも・・・ヲタすらも。誰もこの作品に期待などしてなかったんだ!!!
  _, ,_
ル;’‐’リつ<全て私の、独りよがりだったんだ!!!!

ル;’‐’リ<そう、最初から私の独りよがり・・・。

ル;’ー’リ<父から主役を与えられ・・・愛されてる気がした。期待されてる気がした。

ル;’‐’リ∩<だが、実際は。

ル ’‐’リ<「子犬ダン」などと言う駄作を与えられたところで・・・

ル;’ー’リつ<まだ幼かった私ひとりで、一体何が出来ると言うのだ?!!!

ル ’‐’リ<王にとって私は、ただの捨て駒だったんだ!!
  _, ,_
ル;’‐’リ<期待されることすら、なかったのだ!!!

ル;’‐’リ∩<だからこそ、わたしは父に頼らず、誰も信じず・・・

ル ’‐’リ<この身を闇に染めて・・・

ル;’‐’リつ<魂もプライドも全て捨てでも、死に物狂いでハローでこの地位を勝ち取ってきたのだ!!!



剣幕の嗣永。
肩膝をつき左肩を押さえている夏焼。
ゆっくり立ち上がる。



ノノ ∂_∂ル<・・・・・・・・・・・・・。

ノノ ∂_∂ル<私はまだ、

ノノ ∂_∂ルつ<その頃のハローの事情は良く知らない・・・

ル ’‐’リ<?!

ノノ ∂_∂ル<だが、まだ異国の地にいた私の元にも・・・この作品は届いた

ノノ ∂_∂ル<少なくとも私は、駄作とは思わなかった。

ノノ ∂_∂ルつ<光溢れるあなたの、前向きな優しさがとてもよく映されていた。

ノノ ∂_∂ル<人々の愛に満ちた、実に良作だと思った。

ノノ ∂_∂ル<愛を疑い、希望を拒絶し、ハローの全てを憎む・・・

ノノ ∂_∂ルつ<そんなあなたこそが、独りよがりなのではないのか?
  _, ,_
ル;’‐’リ∩<黙れ!!!!

ル;’‐’リ<黙れ、黙れ、黙れ!!!
  _, ,_
ル ’‐’リ<貴様に何が解かるんだ!!!ふざけるな!!!
  _, ,_
ル;’‐’リつ<誰も・・・私を愛してなどくれなかったんだ!!!
  _, ,_
ル;’‐’リ<みなが愛したのは・・・梨沙子だけだ!!!

ル;’‐’リ<いつだって私は、惨めな影!!梨沙子の影法師だ!!!
  _, ,_
ル;’‐’リ<私は憎む!!父を!!梨沙子を!!ヲタを!!!
  _, ,_
ル;’‐’リ∩<ハローの全てを、私は憎む!!!!
  _, ,_
ル;’ー’リつ<そう、これは復讐だ!!!
  _, ,_
ル ’‐’リ<父への、梨沙子への、ヲタへの・・・ハローへの復讐!!

ル;’‐’リつ<私がハローの頂点に立ち、
  _, ,_
ル;’ー’リ∩<私がハローの全てを支配する!!!

州*‘ ‐‘リ<・・・・・・・・・・・・。



(SE:乙女の騎士のサウンド)
菅谷、フラフラとした様子で立ち上がる。
その表情は、極めて虚ろ。


州 ‘ o‘リ<人は・・・・


从o゚ ‐゚从<!?

川 ´・_・`リ<!?

川*^∇^)<!?

ノノ ∂_∂ル<!?

ノノ ∂_∂ルつ<・・・・・・梨沙子?



夏焼の声に全く気づかない菅谷。
虚ろな眼差しは嗣永を向いてるが、焦点は合ってない。



州 ‘ o‘リ<・・・愛する為に生まれたのです。

州 ‘ ‐‘リ<父を・・・ヲタを・・・。

州 ‘ o‘リ∩<そして、ハローを・・・。

ノノ ∂_∂ル<梨沙・・・子・・・?

州 ‘ o‘リ<ハローの世界は・・・守らなければ・・・いけない。

州 ‘ ‐‘リ<救わなければ・・・なら・・・ない。



虚ろな菅谷の表情が一変する。
目を剥いて嗣永を睨み付ける菅谷。
敵意に満ちた眼差し。


   _, ,_
州 ‘ ‐‘リ<ハローを支配するのは、桃子。お前ではない!!!

ノノ;∂_∂ル<梨沙子!?
   _, ,_
州 ‘ o‘リつ<この私だ!!!!!



菅谷の声に山崎の声が重なる。
そして暗転。




―BERRYZ GIRL‘S KNIGHT 中編終了―



川;´・_・`リ<ス、スミマセン。まだ続きます・・・。次は後編です。

川;^∇^)<前半後半で終わるはずだったのに・・・長いよ、佐紀ちゃん。