(2005年07月18日付 日記)


トゥー・シスターズ ―後編―


――ジャングルの川――

藤本は案内役の村人・ごっちんと一緒に川の上をいかだで下っていました。
いかだの上には、発掘した石像などが乗せられています・・・。
藤本はごっちんに、みーやんがサーカス団に売られていた事について話しますが、

( ´ Д `)<それで良かったんです。野獣のまま残しておいたら、また人を殺したでしょう

川V-V)<・・・・・・・・・だろうな

( ´ Д `)<野獣から村人たちを守るのがハンター。情けは無用です

川V-V)<あぁ。オレもそう思っていた・・・・・・がな

(*´ Д `)<狩は気高い職業です

川VvV)<・・・キミの国の素晴らしい遺産を、世界に公開するのも素晴らしいことじゃねーか?


藤本が遺跡の発掘を繰り返すのは、
素晴らしい文化遺産を世界に残すためなのでした。


川V-V)<このままじゃ、石像は人知れず朽ち果てるだけだ

( ´ Д `)<それでも・・・。このジャングルが、彼らの家です

川VoV)<それは、トラだって同じだろ?トラは殺すのかい?

( ´ Д `)<・・・・・・・・・・・

( ´ Д `)<私の兄は、トラに足を奪われました・・・

川;V-V)<・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

川V-V)<そうか・・・・






――殿下の宮殿――


矢口長官から送られたメス虎の毛皮を持ち、撮影するあやや殿下。
カメラマンに「傷を写さないのですか?お父上はとどめの傷をしっかり写すようにと・・・」と問われますが

从 ‘ 。‘)<・・・・私は父ではない

そんな中、あやや殿下のノー天気な恋人は、虎の毛皮の耳の辺りを探ります。

( ^▽^)<フフフ、虎の耳の穴はちゃんと開いてるかな〜?

( ^▽^)つ<あ、ちゃんと開いてるよー。ウフフー!!

しかし、あやや殿下は言います。

从 ‘ 。‘)<あぁ、開いてるよ・・・。全く。中々、手が込んでいる

从 ‘ 。‘)つ<ただし。私が射抜いたのは、反対側の耳だけどね・・・

( ;^▽^)<・・・・・・・・・・え?




――矢口長官の家――


矢口長官の家のリビングには、地元の名士たちが集まっています。
ジャングルの道路建設について語っている、矢口長官。

( ^◇^)つ<つまり。ジャングルを整備し、道路を繋げることで観光収入などを・・・

そしてその頃。
舞波の部屋では、ヘタレのりーちゃんが相変わらず矢口家の飼い犬に吼えられ、棚の上に登って怯えていました。
すると、棚が崩れ落ち、りーちゃんは下へ落っこってしまうのでした。

三州 ;‘ o‘;リつ<(ヤダもん!犬怖いもん!犬怖いもん!!!)

速攻部屋から逃げ出すりーちゃん。
犬は相変わらず、吠えながらりーちゃんを追ってきます。
逃げ回るりーちゃんのせいで、廊下や、名士の集まるリビングは倒れた棚や壊れた花瓶などが散乱するのでした。
そして逃げ回った挙句、りーちゃんがたどり着いたのは洗濯物置き場。
犬に壁際まで追い詰められたりーちゃんは、もう、逃げ場がありませんでした。

州 ;‘ o‘;リ<(ヤダ!怖いよ、怖いよー!!助けてーー!!!)

恐怖におののくりーちゃん。
次の瞬間・・・。
辺りの洗濯物には、どす黒い血が飛び散るのでした。


そして。そんな洗濯物置き場へ、舞波の母親しみハムが駆けつけます。
廊下中の散らかりっぷりに、いい加減呆れ顔のしみハム。

三川;´・_・`リ∩<もう、何してんのよ。りーちゃん!廊下メチャクチャじゃない!!

しかし。
洗濯物置き場の惨状を見た瞬間。

川l|l´・_・`リ<・・・・・・え?!

川l|l´・_・`リ<だ、誰か!!!誰か来てぇ!!!!!

川l|l´・_・`リつ<誰か!!あの獣を追い出して!!!!





りーちゃんは長官家のお手伝いさんによって、棒や箒で叩かれ、無理やり外へと追いやられます。
そんな状況に、舞波は泣き叫ぶのでした。

从 ;’w’;)つ<やめてよ!!りーちゃんをイジメないで!!!

从 ;’w’;)つ<本気じゃない!遊んでただけなんだよ!!!ふざけてただけなんだよ!!!

川l|l´・_・`リ<ダメよ!!その恐ろしいモンスターに近づいちゃダメ!!


りーちゃんは無理やり檻に詰め込まれ、車で運ばれてしまいます。


州*;‘ o‘;リつ<(ヤダもん!ヤダもん!!)


舞波は一生懸命追おうとしますが、しみハムに止められてしまいます。

从 ;’w’;)<お願い、返してよ!!ふざけてただけなんだ!!!

川l|l´・_・`リ<ダメ!!一度、血の味を覚えたら、もう置いておけないわ!!!

りーちゃんを運ぶ車はどんどんと遠のいてゆきます。
ただ舞波の叫び声と、りーちゃんの鳴き声がこだますだけなのでした。






――殿下の宮殿――



りーちゃんを運ぶ車は、一路、宮殿へと向かいました。


( `_´)∩<宮殿飼育科の責任者だ

( ・e・)つ<長官より、殿下に贈り物です 


りーちゃんは長官から、殿下への貢物として送られることになったのでした。
獣を集めるのが趣味の殿下は、宮殿の地下に獣を飼育するための檻を設けているのです。
りーちゃんは無理やり、地下の檻へと連れて行かれます。

(;`_´)つ<オイ、さっさと来い!!止まるな!!!

州 ;‘ o‘;リ<(ヤダ、ヤダ!!)


あたりの檻には獰猛そうな獣が、何匹も飼育されています。
すっかり竦みあがってしまうりーちゃん。


( `_´)<オイ。獰猛と聞いたが、本当に獰猛なのか?

( ・e・)<えぇ。噛み殺された犬は、無残なモノでした・・・

( `_´)<・・・結構。殿下のコレクションに相応しい


こーして、地下の檻に閉じ込められてしまったりーちゃん。
獰猛な獣に囲まれ、りーちゃんは恐怖と殺戮の中で1年を過ごすこととなるのでした。







―――ONE YEARS LATER (1年後)――






――サーカス団――

すっかり成長したみーやんは、サーカス団の中で様々な芸を叩き込まれ・・・
そして、ついに火の輪くぐりの稽古をさせれているのでした。

(●;´ー`)∩<飛ぶべさ、みーやん!!もう、赤ん坊じゃないんだから!!

ノノl|l∂_∂ル<(うぅ・・・・う)

(●;´ー`)∩<怖がらなくていいべさ!熱くないから!!

(●´ー`)∩<なっちを信じるべさ!一度でいいから、飛ぶべさ!!!

ノノl|l∂_∂ル<(・・・・・・でも。だけど・・・・)

しかし、どーしても火を怖がり飛ぶことの出来ないみーやん。
すると・・・ゆーちゃんが銃を片手に、現れます。

从#~∀~从<どけ!なっちぃ!アタシが飛ばしたるわ!!!

そして、みーやんの側へ向かって銃を放つゆーちゃん。
その銃声に、みーやんが驚き、ゆーちゃんへと牙を向けます。
   _, ,_  
ノノ;∂_∂ル<(この音・・・。お父さんを殺したのと、同じ音)

从;~∀~从<なんやねん!!!やんのか、ゴルァ!!!下がれ!!!!
   _, ,_  
ノノ ∂_∂ル<(許さない・・・・)

从#~∀~从∩<オイ、お前ら、手を貸せ!!!コイツを押さえつけろ!!!

从;~∀~从つ<縄を掛けろ!締め上げるんだ!!!

牙をむくみーやんだが、多勢に無勢。
ゆーちゃん達にみーやんは取り押さえられてしまいます。
そして・・・

从#~∀~从∩<えーか?歯向かうヤツはこーなるんや!!!

長時間、これ以上ない虐待に会うみーやん。
やがて、『躾』の時間は終わり・・・

(●´ー`)<・・・飛ぶべさ

ノノ ∂_∂ル<・・・・・・・・・・・・・・・

命令どおり、火の輪をくぐるみーやん。
その後、なっちがゲートを開き、

(●´ー`)つ<ホラ、戻るべさ・・・

すると、みーやんは従順に自分の檻へと戻るのでした。
そんなみーやんの様子を見て、ゆーちゃんは至極得意気です。

从#~∀~从<えーか?これがトラの馴らし方や・・・簡単なもんや

(●;´ー`)<・・・・・・・・・・


一方。檻に戻ったみーやんは、鳴き声ひとつ上げず、檻の中に大人しく突っ伏します。
そして、前足に鼻の頭を乗せ、眠るように目を閉じながら、かつてこの檻に居たまーさんの事を思い耽るのでした。





それから数日後・・・。





サーカス団の元へ、一台の車が尋ねてきます。
なっちとゆーちゃんが不審そうに、その車を眺めていると・・・。

( `_´)<看板どおり、本当に獰猛なのかい?ここのトラは??

从#~∀~从つ<試してみりゃいい。テメーの手足でな

( `_´)<・・・・・・・・・・・・・・

( `_´)<殿下が園遊会を行われる。亡き父上の時代に習い、同じ趣向で執り行われる

( `_´)∩<中でも注目の催しは・・・

(●´ー`)<わかってるべさ・・・

(●´ー`)<で、戦わせる相手は?

( `_´)<・・・・・・とても狂暴だ。今にも敵を食い殺しそうな殺気に満ちている

( `_´)<並大抵の獣では勝負にならん・・・

(●;´ー`)つ<こっちも、並みの値段じゃお断りだべさ!!!

(●´ー`)<5000$だ!!!

( `_´)<・・・・・・・・・・・・


マサオは頷き、なっちと無言で手を握るのでした。




――殿下の宮殿――


殿下の元へ、長官より貢物が到着します。
中には、宝石の散りばめられた豪華な首輪が収められていました。

( ;^▽^)<スゴイ!!これ、本物?!!

从 ‘ 。‘)<・・・・勿論。父は本物を愛した

从 ‘ 。‘)<あまり趣味がいいとは言えないけどね

( ^▽^)∩<お父上存命の頃を再現するんでしょ?

从 ‘ 。‘)<この国は何も変わってない。そう言いたいんだよ、フランスは・・・

( ;^▽^)つ<で、でも。伝統を大事にするって言うか・・・素晴らしいことじゃない?

从 ‘ 。‘)<いや。再現することで、変わってしまった事実を隠すだけ。茶番だよ

从 ‘ 。‘)<へりくだって。機嫌をとり。祝賀行事が終わったトコロで、道路建設の同意書にサインさせたいだけさ

( ;^▽^)<えーーと。そんなこと・・・

从 ‘ 。‘)<・・・・・・心配ない。キミは私の説得に努力した。・・・と、矢口長官に伝えておくよ

( l|l^▽^)<・・・・・・・・・・・・・・・・・・





――宮殿地下の檻――


そこには宝石の散りばめられた首輪をし、すっかり大きくなったりーちゃんがいました。
低い声で呻き声を上げ、殺気に満ちた、変わり果てた獣の姿。

从 ‘ 。‘)<・・・・生まれながらの野獣か?

( `_´)<最初はビクビク怯えていました。ですが・・・

( `_´)<恐怖。それが殺戮の原動力

かつて追い詰められた末に犬を噛み殺したのも、全て恐怖ゆえの殺戮。
弱虫のりーちゃんは、1年の間、恐怖から逃れるための殺意を覚えたのでした。
あやや殿下は、りーちゃんの檻の前の椅子に腰掛けます。

从 ‘ 。‘)<・・・・下がれ

( ;`_´)<殿下。非常にキケンですので・・・

从 ‘ 。‘)<・・・ひとりにしてくれ

( ;`_´)∩<ハッ!!

檻を離れてゆく付き人たち。
あやや殿下は、檻の中のりーちゃんと向かい合います。

从 ‘ 。‘)<・・・・・・・父や母を覚えているか?りー。

州*‘ -‘リ<・・・・・・・・・・・

从 ‘ 。‘)∩<偉大なるジャングルの王者、だったかもしれない
   _, ,_  
从 ‘ 。‘)つ<誰もがその影に怯え、ひれ伏す存在!!

从 ‘ 。‘)<私の父もそうだった・・・

州*‘ -‘リ<・・・・・・・・・・・・・

从 ‘ 。‘)<だが、その跡継ぎは出来の悪い、子供・・・
   _, ,_  
州*‘ o‘リ<!??

从 ‘ 。‘)つ<フフ。りー。お前のことじゃない・・・

州*‘ -‘リ<・・・・・・・・・・・・・

从 ‘ 。‘)<りー。オマエはどう思う?王者とはいかなる存在なのか??

从 ‘ 。‘)<王者は猛々しく非情であれ・・・そう言いたいか?りー?

从 ‘ 。‘)<・・・・・・・それとも

州*‘ -‘リ<・・・・・・・・・・・・・

だが、りーちゃんは何も言いません。
ただただ、低く唸り続けるだけなのでした。





――園遊会会場――


会場は派手に賑わい、沢山の客で埋め尽くされていました。
そこには長官一家の姿もあります。
そして、多くの客は闘技場へと移動するのでした。

从 ’w’)<ママ、どんなトラが出るのかな?

从*’w’)<もしかしたら、りーちゃんかもよ!!

川 ´・_・`リ<舞波、いいかげんになさい。りーちゃんが出るワケないでしょ?

( ^◇^)<・・・・・・・・・・・・

そして同じように、闘技場内には観戦に来た藤本とごっちんの姿もありました。
しかし、藤本は関係者エリア内に、かつて見たサーカス団の人物の姿を発見します。

川;VoV)<あれは・・・

川;VvV)つ<わりぃ、ごっちん。ちょっと待ってて

( ´ Д `)<んぁ?

そして、藤本はそちらへ向かい、思わず呆然と立ち尽くします。
そこには藤本の悪い予感の通り、かつてサーカス団で再会したみーやんが檻の中で突っ伏していました。

川V-V)<なんてこった・・・お前だったのか

川;V-V)つ<ごめんよ・・・

ノノ ∂_∂ル<・・・・・・・・・・・・

川VvV)<ん?覚えてないのか??

藤本はハチミツドロップを檻の中に投げ込みますが、みーやんはピクリとも動きません。
かつてのみーやんとは違い、すっかり獣らしさを失い、飼い犬のようになってしまったみーやんがそこに居ました。

川;VoV)つ<みーや・・・忘れたのか?

川V-V)<オレは変わってないゾ・・・


すると――。


从#~∀~从<なんや?また毛皮が欲しいんか?

川;VoV)<?!

从#~∀~从つ<悪いがソイツは売れないで!

川V-V)<・・・・・・・時間の問題だろ!

川;VoV)つ<相手は本能剥き出しの野獣。こっちは芸をする飼い犬だ!!!

川;V-V)<八つ裂きにされるぞ・・・

川VoV)<大事にしてくれと言ったじゃねぇか!!!

(●´ー`)<ハンターが説教べか?笑わせるべさ!!

川V-V)<・・・・・・・・・・・・・。

川;VoV)<オレが引き取る。いくら出せばいい?

从#~∀~从<アフォか!おまえなんぞに払えるワケないっちゅーねん!

从#~∀~从∩<オラ、このアフォつまみ出せ!!

川;V-V)<・・・・・・・・・・・。


こうして結局、引き取ること適わず観客席へと戻された藤本は、一目散にごっちんの元へと向かいます。


川;VvV)つ<帰ろう、ごっちん!

(;´ Д `)<え?

川V-V)<見たくない。帰ろう・・・



闘技場を逃げるように去る、藤本とごっちん。
そして、りーちゃんの檻と闘技場を繋ぐゲートが開かれます。
物凄い勢いで飛び出してくるりーちゃん。
闘技場の柵に飛び掛り、闘争心剥き出しで駆け回ります。

从 ’w’)つ<あれ、りーちゃんだよ!!ママ!!!

川;´・_・`リ<そんなワケないでしょ?りーちゃんは遠くにいるの・・・

( ;^◇^)<そ、そーだぞ、舞波!

川 ´・_・`リ<バンコクに・・・

( ;^◇^)<ど、動物園に!!!

川;´・_・`リ<・・・・え?

( ;^◇^)<あ、あれ?あ、そうそう。バンコクだったっけ・・・



一方、みーやんの檻では・・・


从#~∀~从つ<オラ!!さっさと出ろ、みーやん!!!チンタラすんな!!!

ノノ ∂_∂ル<・・・・・・・・・・・・・・・

从#~∀~从<血に飢えた野獣やろ?!それらしくしいや!!

(●;´ー`)<じゃぁな。みーやん。神に祈ってるべさ・・・

ノノ ∂_∂ル<・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかし、柵の向こうには牙をむき出し、殺意を剥き出しにしたトラ。
すっかり飼い慣らされたみーやんは、怯えてしまい出ようとはしません。
向こうのトラに睨まれただけで、すっかり尻込みし、逃げ帰ろうとします。

ノノl|l∂_∂ル<(ひっ・・・・。ム、ムリだよ・・・・)

ノノl|l∂_∂ル<(ヤダ。助けてよ・・・・助けて・・・・)

从#~∀~从つ<なにしてんねん!!さっさと行かんかい!!

結局みーやんは、ゲートを開かれ無理やり闘技場に押し出されてしまいます。
そして無情にも閉まるゲート。
もはや、逃げ道はどこにもありません。


ノノl|l∂_∂ル<(いや。助けて、殺される・・・・)
   _, ,_
州;‘ -‘リ<(殺さないと、殺されるもん・・・)

ノノl|l∂_∂ル<(助け・・・・・・・)
     _, ,_  
三州;‘ o‘リ∩<(殺すもん!!殺すもん!!!)


りーちゃんは躊躇う事無く、一直線にみーやんへと襲い掛かります。
完全に逃げ腰のみーやんですが、無抵抗のまま殺されるワケにはいきません。
なんとか抵抗を試みます。

ノノ;∂_∂ルつ<(いやぁ!!!ヤメテ!!!!来ないでよ!!!)
   _, ,_  
州;‘ o‘リ∩<(なんで抵抗するんだもん!!このままじゃ、殺されるもん!!)

そして両者の揉み合いが始まります。
お互いが牙を剥き、爪を剥きだしての攻防。
観客も総立ちでこの死闘の行く末を見守ります。


しかし――。
ついに両者の形勢が決まります。
みーやんが仰向けに倒され、りーちゃんがみーやんの上にのっ掛かります。

ノノl|l∂_∂ル<(殺される!!!!!)
    _, ,_  
ノノ ;∂_∂;ル<(イヤ!!助けて、お父さん!!助けて、お母さん!!)
    _, ,_  
ノノ ;∂_∂;ルつ<(助けて・・・・・・・・・・梨沙子!!!)

ノノ ;∂_∂;ル<(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?梨沙子?)

そのとき、ふと、みーやんの脳裏に昔の情景が浮かびました。
アナグマに追っかけられ、木の上に逃げてしまった臆病者の妹の姿。
木の上から恐る恐る下を覗き込む、そのつぶらな眼差し。
その眼差しが、今、自分の上にのっかかり自分を見下ろしている、目の前のトラに重なるのです。

ノノ ∂_∂ル<(・・・・・・り、さ、こ?)

そして同じくして、りーちゃんもまた、思い出していました。
アナグマに追っかけられ、木の上に逃げた臆病な自分。
そんな自分を救うべくアナグマを追い払ってくれた、姉。木の下から見上げる、優しい眼差し。
その眼差しが、今、自分の下で倒され自分を見上げている、目の前のトラに重なります。

州*‘ o‘リ<(・・・・・・・・・・み、や?)

そして、二人は思い出すのでした。
すっかり大きく、すっかり変わり果てた2人ではあるが、2人がかつて姉妹であったということを。

ノノ ∂_∂ルつ<(梨沙子・・・・・)

州*;‘ o‘;リ<(みや・・・・・)

ノノ ;∂_∂;ルつ<(良かった。無事だったんだね、梨沙子)

州*;‘ o‘;リ<(うえぇええん、みやーーー。怖かったよぉーーー)

こうして、再会を果たした2人。
競技場には、もはや死闘を繰り広げる野獣の姿はありませんでした。
かつてジャングルの中を2人で駆けた時のように、じゃれ合い、ふざけ合う姿がありました。
観衆はどよめきつつも、その情景に思わず笑みを零します。

( *^▽^)<あらー?ど、どーなってんのかしら〜?

从 ‘ 。‘)<・・・・・・・・・・・・・

从 ‘ 。‘)<そうか。それが答えか。りー・・・・

( ^▽^)<え?なにが?


一方、サーカス団と宮殿飼育係は、あまりの予期せぬ事態に、すっかり困惑していました。


( ;`_´)<どーなってやがる・・・これじゃ戦いにならないぞ

( ;・e・)<ど、どーしましょう?

( `_´)つ<石を投げろ。怒らせてけしかけるんだ!!!


そして、2人の再会に水を差すように、闘技場に石が投げ込まれます。
思わず身を翻す、みーやんとりーちゃん。


州;‘ o‘リ<(え?みや!!なにこれ?!!)

ノノ;∂_∂ルつ<(梨沙子、あぶないから下がって!!)


一方のサーカス団もこの事態に、黙って見ているワケには行きません。
ゆーちゃんは闘技場の柵の間から腕を入れ、棒でみーやんを叩きます。

从;~∀~从つ<オマエ、みーやん!!何やっとんねん!!さっさと戦わんかい!!!

从;~∀~从∩<戦わんとあとで折檻がまっとるでぇ!!!

ノノl|l∂_∂ル<(え・・・・あ・・・・・)


サーカス団に躾けられた身ゆえ、どうしても尻込みしてしまうみーやん。
しかし、みーやんを棒で叩き付けるゆーちゃんを、りーちゃんは黙って見ていることは出来ません。

   _, ,_  
州;‘ o‘リつ<(みやをイジメるなぁ!!!許さないもん!!!!)


そして、りーちゃんは柵の間から腕を入れたゆーちゃんの右腕に噛み付きます。


Σ从l|l~∀~从つ<うぎゃぁ!!!!!

从l|l~∀~从つ<だ、誰か!!誰か助け・・・・

Σ(●;´ー`)<え、えらいことだべさ!!!

(●;´ー`)つ<早く、銃を貸すベさ!!!


なっちはゆーちゃんの緊急事態に、ゲートを開き、闘技場内に入ります。
そしてりーちゃんを撃ち殺すべく、銃を構えますが・・・。

    _, ,_
ノノ;∂_∂ルつ<(り、梨沙子に手を出すな!!!!!)


今度はみーやんがなっちに飛び掛ります。
なっちの服を噛み、その体ごと振り回し、地面に叩き付けます。
突然の出来事に場内はもはや混乱の渦です。

すると――

Σ 州*‘ o‘リつ<(みや!ゲートが開いてるもん!!!!)

Σ ノノ ∂_∂ル<(ホントだ!!!!)

( ;`_´)つ<オイ、ゲートだ!!ゲートが開いてるぞ!!!

しかし、みーやんとりーちゃんはいち早くゲートを抜け出すのでした。
そしてトラ2頭の脱走劇に、場内は大混乱となるのです。




――闘技場外――


みーやんとりーちゃんは闘技場の外まで逃げおおせます。
しかし、闘技場の外へ差し掛かったとき、みーやんは移動車の檻の中へと、自ら入って行ってしまうのでした。
それは飼い慣らされた獣の性。
りーちゃんは驚き振り返り、叫びます。

州;‘ o‘リつ<(みや!!!早く!!!逃げなきゃダメだよ!!!)

ノノl|l∂_∂ル<(梨沙子・・・。で、でも・・・あたしは・・・・)
   _, ,_  
州;‘ o‘リ∩<(何やってるの?みや??早く逃げよっ!!)

ノノl|l∂_∂ル<(でも。逃げたりなんかしたら・・・捕まったあとで、なにされるか解らない・・・)
   _, ,_  
州;‘ o‘リ<(捕まらない!!捕まらなきゃいいんだよ、みや!!2人で逃げよう!!ねっ、みや!!)
   _, ,_  
州;‘ o‘リつ<(このままここに残っても、殺されるだけだもん!!だったら逃げようよ!!)

ノノ;∂_∂ル<(り、梨沙子・・・・)

ノノ;∂_∂ル<(でも。ごめん・・・梨沙子。あたし。逆らうのが・・・怖い)
   _, ,_  
州*‘ o‘リ<(怖くないもん!!!)

州*‘ o‘リつ<(2人で一緒なら平気だもん。勇気出して、みや!!)

州*‘ -‘リつ<(昔。いつも・・・みや、言ってたもん!!勇気を持てば怖くないって!!)

ノノ ∂_∂ル<(梨沙・・・・子・・・・)

州*;‘ o‘;リ<(みやがそう言ってたんだよ!!勇気出してよ、みや!!!)

ノノ ∂_∂ル<(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

みーやんは、ゆっくりとした足取りで檻を抜けます。
そして檻を抜けると、不安や恐怖を振り切るようにりーちゃんの元へと駆けるのでした。

州*‘ o‘リつ<(みや、行こっ!)

ノノ ∂_∂ルつ<(・・・・・・・・うん)

ノノ*∂_∂ル<(梨沙子、ありがとう・・・・)

ノノ*∂_∂ルoO(びっくりするぐらい強くなったんだね、梨沙子・・・)



そして、みーやんとりーちゃんの逃走劇が始まります。
突然のトラの来訪にびっくりして逃げ惑う人間を尻目に、みーやんとりーちゃんは人間の町を通り抜けるのでした。
トラックの荷台に上がり込んだり、湯船に飛び込んだり、橋を駆け抜けたり、時にじゃれ合ったり。
こーして2人は、草原までやってきました。
みーやんは木の切り株を、行ったりきたり飛び移って芸を見せるみーやん。そんなみーやんをりーちゃんは驚いた様子で見ています。

ノノ*∂_∂ル∩<(で、こーやって飛び移ったりするんだよ、梨沙子)

州*‘ o‘リ<(おー!!スゴイんだもん、みや!!カッコいいんだもん!!)

遠くまで逃げおおせ、よーやく落ち着いた時間を過ごすみーやんとりーちゃん。
しかし――。
突然銃弾が木の切り株を撃ち、みーやんは驚いて切り株から飛び退きます。

ノノ;∂_∂ル<(まさか、追っ手!!!)

ノノ;∂_∂ル<(梨沙子!!早く逃げるよ!!!!)

州;‘ o‘リつ<(う、うん!!)

2人は急ぎ、森の中へ逃げ込むのでした。






――地元の村――


矢口長官が野営をしている場所に、一台のジープが到着します。
ほっとした表情で出迎える矢口長官。
ジープから現れた人物は、藤本でした。

( ;^◇^)<ありがとうございます、助かります

川V-V)<・・・・・・・・2頭は?

( ^◇^)<旧陣地跡にいたのを仕留め損ないました。そう遠くへは・・・

川VoV)<そうか・・・

そして、そんな2人の後ろにある小屋から舞波が現れます。
矢口長官は、藤本にそっと耳打ちをします。

( ;^◇^)<例のトラを殿下へ献上した事。あの子には言ってなかったのです

( ;^◇^)<酷くショックを受けています・・・

(l|l^◇^)<どう、なだめたらいいのやら・・・

川V-V)<・・・・・・・・・・


藤本は小屋のベランダで、舞波と2人で語り合います。
眼前には、夕暮れの村が広がっていました。


川VvV)つ<ホラ、あそこの杖をついてるおじいさん

川V-V)<子供と母親を・・・

川VvV)<もし、キミのトラがああ言う人達を襲って食い殺したらどうする?

从 ’w’)<りーちゃんは、そんな事しない

川V-V)<するようになる。そのうち・・・

从 ’w’)<襲いたければ・・・もうとっくに襲ってるよ・・・

川V-V)<・・・・・・・・・・

川VoV)<人に飼われたトラは、狩りをしらない

川;V-V)<だから飢えたら、人間を狙うしかないんだ。弱い女子供を・・・

川VvV)<それが本能なんだ。わかるかい?

从 ’w’)<あの2頭は違うよ・・・。絶対違う

川VvV)<そう思いたいんだろ?りーちゃんが好きだから・・・

从 ’w’)<・・・・・・・・・・

从 ’w’)つ<じゃぁ、みーやんの事。撃てるの?藤本さんは・・・

川V-V)<・・・・・・・撃ちたくない

川VvV)<でも、撃たなきゃいけないんだ

川;V-V)<オレが、アイツを森から連れ出した。キミにりーちゃんをあげたのもオレだ

川;VoV)<全部オレの責任なんだよ・・・


しかし、舞波はやはり納得しません。
目に涙をいっぱいに溜めて、言うのでした。


从 ;’w’;)∩<りーちゃんはそんな事しない!みーやんもだよ!!

从 ;’w’;)<ジャングルで暮らして、狩りを覚えるよ!!

川VoV)<誰が・・・教える?

从 ;’w’;)<・・・・・・・・・・・・・・・・





――ジャングル――


夜が明けます。
藤本は部隊を動員して、沢山のガソリンを運ばせ、森の何箇所かにガソリンをばら撒くのでした。
そして高台の要所要所に兵を配置し、自分はもっとも高い場所でジャングル全域を見渡します。


川V-V)oO(火で囲み、2頭の逃げ場を全て絶つ・・・)

川V-V)oO(そうすれば後は、かごの中の鳥も同然だ・・・)

川VvV)∩<よし、合図を鳴らせ!!


鳴らされる合図。
と、同時に火が放たれ、ジャングルは炎に囲まれます。
そして、みーやんもりーちゃんも、すぐにこの異変に気づくのでした。

Σ ノノ;∂_∂ル<(な、何?!突然火が・・・)

Σ 州;‘ o‘リつ<(みや、こっちも!!!こっちも火だよ、みや・・・)

ノノ;∂_∂ル<(も、森が火に囲まれてる・・・)

ノノl|l∂_∂ル<(まさか。人間たちのワナ・・・)

州;‘ o‘リつ<(みや、逃げよう!!早く逃げないと!!!)

ノノ;∂_∂ル<(うん。ともかく逃げれるだけ逃げよう、梨沙子!!!)


みーやんとりーちゃんは森の中を駆け抜けます。
しかし、結局火はどこまで行っても途切れる事無く燃え続けているのでした。
決して逃がさぬように。どこまでも囲むように。


州;‘ o‘リ<(ダメだよ、みや・・・・。どこも火で囲まれてる・・・・)

ノノ;∂_∂ル<(なんてこと・・・)


いよいよ行き詰まり、火の壁の前で呆然と立ち尽くします。
そして、そんなみーやんとりーちゃんを捕らえる、監視の目が・・・。


川VoV)<いた、あの2頭だ!!!

川VoV)∩<構えろ!!!

川V-V)<2頭は火のない方に引き返してくる。あと少しコチラへ接近した時が勝負だ!!

川VvV)つ<焦るな。引きつけて確実に撃つんだ!!


そんな藤本の監視の目も気づかず、みーやんとりーちゃんは尚も炎の前で立ち尽くしていました。
もはやどこにも逃げ道はないのは、火を見るより明らかだったのです。


州;‘ o‘リ<(ともかく、いったん戻ろうよみや。火のない抜け道を探すもん!!)

ノノ;∂_∂ル<(ムリだよ、梨沙子。火のない抜け道なんてどこにもないよ・・・)
   _, ,_  
州;‘ o‘リ∩<(でも!!!じゃあ、どーすればいいの?みや!!)

ノノ ∂_∂ル<(・・・・・・・・・・・・・・)

州*‘ o‘リ<(??・・・みや??)

みーやんはゆっくりと、大きな岩の上に登ります。
そして岩に登ると、眼前に広がる炎の壁をじっと見つめるのでした。
燃え盛る炎。
脳裏に浮かび上がる、声。


(●´ー`)∩<飛ぶべさ!!みーやん!!


みーやんは岩の上から大きく跳びはね、炎を飛び越えます。
そして、見事に炎の向こうへと降り立つのでした。


州;‘ o‘リつ<(み、みや!!!!)

ノノ;∂_∂ルoO(と、飛べる。大丈夫だ、飛べる距離だ・・・)

ノノ ∂_∂ル∩<(梨沙子、飛んで!!大丈夫、炎さえ飛び越えればこっちから逃げれる!!)

州;‘ o‘リ<(で、でも・・・みや・・・・・・)


しかし、りーちゃんは炎への恐怖から、身動きが取れません。
とても炎を飛び越えるなんて芸当、出来そうもありませんでした。


州;‘ o‘リ<(こ、怖いよ・・・炎を飛び超えるなんて出来ないよ・・・)

ノノ ∂_∂ル<(梨沙子・・・・)

州*;‘ o‘;リ<(ムリだよ、みや・・・。怖いよ!!!)


すると、そのとき。
炎の向こう側から、再び炎を飛び越えてみーやんがりーちゃんの方へと戻ってきました。
そしてみーやんは、真っ直ぐにりーちゃんの元へと向かうのです。

州*;‘ o‘;リ<(みや!!)

ノノ ∂_∂ルつ<(大丈夫。あたしを信じて・・・。怖くないよ、梨沙子)

みーやんはりーちゃんの頬に、優しく鼻をくっつけます。
そして、囁くように言うのでした。

ノノ*∂_∂ル<(2人で一緒なら平気でしょ?梨沙子・・・)

州*‘ o‘リ<(・・・・・・・・・・・・・みや)

ノノ ∂_∂ル<(大丈夫。言ったじゃん。勇気を持てば怖くないって・・・)

ノノ ∂_∂ルつ<(怖くない。あたしを信じて。勇気を持って!!)

州*‘ o‘リ<(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
 
州*‘ -‘リ<(わかった・・・・みやを信じるんだもん!!)


みーやんはりーちゃんの元を離れ、再び岩の上へと登ります。
そしてまず最初に、お手本で飛んで見せてあげるのでした。
岩からのジャンプは中空を切り、見事に向こう側へと着陸するのでした。


ノノ;∂_∂ル<(梨沙子!!平気だから・・・頑張って!!)

州*‘ -‘リ oO(・・・・・・・怖くないもん。勇気を持つんだもん!!)
   _, ,_  
州*‘ o‘リつ<(みやと一緒に行くんだもん!!!)


やがて、りーちゃんは岩から大きく飛び上がります。
その体はまるで宙を飛んだかのように大きく炎を飛び越え、そして向こう側へと着地したのです。


ノノ;∂_∂ル<(梨沙子!!!!)

州;‘ o‘リ<(飛べた。飛べたよ、みや!!!!)

ノノ*∂_∂ルつ<(頑張ったね、梨沙子・・・)

ノノ ∂_∂ル<(よし、逃げるよ!!梨沙子!!)

州*‘ o‘リ<(うん!!逃げよう、みや!!!)


こーして2人はジャングルの奥へと駆け抜けるのです。
そして、そんな2人を、ただただ、呆然と見続けるだけの藤本の姿がありました・・・。


川;VoV)<ば、バカな・・・火を飛び越えるなんて・・・

川V-V)<・・・・・・・・とんでもねーぜ、まったく

川VvV)<なぁ、みーやん?






――地元の村――

矢口長官はあやや殿下への書面をしたためていました。
この度のトラにまつわる騒動の謝礼、そしてトラを仕留められなかった事への侘び。
道路建設の企画書も、この度の不始末で全て白紙となるのでした。

(l|l^◇^)<・・・・・・・・ハァ。今までの努力も水の泡か

( ^◇^)<仕方ない。舞波。帰るぞ・・・・

( ;^◇^)<・・・・・・・あれ?

( ;^◇^)<オ、オイ?舞波?!舞波?!!!

川V-V)<ん?

(l|l^◇^)<舞波!!!舞波がいないぞ、舞波ーーー!!!!





――ジャングルの川原――


炎を潜り抜けたみーやんとりーちゃんは、川原で水浴びをして涼んでいました。
すると、近くから誰かの声が聞こえます。

从 ’w’)∩<りーちゃん?りーちゃん?!

舞波はりーちゃんに会うために、ジャングルを駆け巡っていたのでした。
りーちゃんは舞波の声に気づき、川を抜け出ます。

从 ’w’)<?!

从*’w’)つ<あ、りーちゃん!!!ここに居たんだね!!!

州*‘ o‘リ<・・・・・・・・・・・・・・・

从 ’w’)<りーちゃん。舞波だよ?覚えてるでしょ?

りーちゃんはゆっくりと舞波へと擦り寄ります。
懐かしい臭いを覚えています。
一緒にベッドで寝たことも、かくれんぼした事も決して忘れていません。

从 ’w’)つ<やっぱり覚えててくれた・・・

州*‘ o‘リ<・・・・・・・・・・・・

从 ’w’)つ<いい?りーちゃん。もう、人間の村へは戻って来ちゃダメだよ?

从 ’w’)<約束して。ジャングルで暮らすんだ。・・・ずっとね

州*‘ -‘リ<・・・・・・・・・・・・・

大人しく舞波の言葉を聞き入っているりーちゃん。
舞波は、りーちゃんの首に巻かれた宝石の散りばめられた首輪を取り外し、森に投げ捨てます。
そのあと、りーちゃんのおでこにお別れのキスをしてあげるのでした。
静かに別れを迎えるりーちゃんと舞波。
しかし。そんな2人を、岩陰からライフルを構えて見つめる一人の影が・・・。


川VvV)oO(大人しくしてるな)

川V-V)oO(今が、りーちゃんを撃つチャンスか・・・)


ライフルを構え狙いを定める藤本。
そして引き金を引くべく、指に力を入れた瞬間。


――ガサッ。


Σ 川;VoV)つ<?!


藤本が横を向くと、そこにはみーやんの姿がありました。
みーやんは小さな呻き声を上げ、藤本を見つめているのでした。


川V-V)<みーやん・・・

ノノ ∂_∂ル<・・・・・・・・・・・・・・・・

川V-V)<・・・・・・・・・・・・・・・・・


藤本は何も言わず、静かにライフルを地面に置きます。
するとみーやんはゆっくりと藤本へ歩み寄ります。
そして、その鼻面を藤本の胸のあたりに埋めるのでした。
藤本はすぐに理解し、胸のポケットから、ハチミツドロップの缶を取り出します。
しかし、藤本が缶を開けると、中身はすでに空っぽでした。


川VvV)つ<ごめん

川V-V)<許してくれ・・・



やがて――。
みーやんとりーちゃんは隣りあわせで歩き、森の奥へと帰ってゆきます。
そんなみーやんとりーちゃんを見送る、藤本と舞波。
だが、見送っているうちに、2人はある異変に気づきます。
みーやんとりーちゃんの咆哮に、遠くから別のトラが答えているようなのです。


川VoV)<おい、聞いたか?もう1頭居る・・・

川V-V)<一体誰が答えてるんだろう?

从 ’w’)<・・・・・・そのトラが、きっと狩りを教えてくれるよ

川VvV)<・・・・・・・・・・そうだな

川VvV)<そうだといいな・・・

从 ’w’)<・・・信じていいでしょ?

川VvV)<あぁ。いつか答えは出る。今は信じるだけだ・・・





――ジャングル奥の遺跡――


みーやんとりーちゃんはジャングル奥の遺跡へと帰ってきました。
ここはかつて、家族4人が平和に暮らしていた場所です。
みーやんとりーちゃんは、もう1頭のトラの声を頼りに、ここにたどり着いたのでした。

州*‘ o‘リ<(みや、ここ・・・・)

ノノ ∂_∂ル<(あたしたちが住んでた場所だ)

州*‘ o‘リ<(懐かしいね・・・・)


そんな2人の帰りを迎えるような木々のせせらぎと小鳥のさえずり・・・
そして。
ある1頭のトラの姿。
トラの右耳には、穴が開いていました。


ル ’ー’リ<(・・・・・・おかえり)

ノノ ;∂_∂;ル<(うん・・・・)

州*;‘ o‘;リ<(ただいま・・・・ももち)





トゥー・シスターズ  ―THE END―




えーーーと。
すみません。超ノリノリで書きましたorz
ただのネタというかレポのハズが、後半から完全に同人ノリで書いてしまったw
基本的に本物の『トゥ・ブラザーズ』のセリフのまんまなんだけど(そーゆう目的で書いてたワケだし)、
なのに、あやや殿下の存在が結構好きで、あやや殿下で勝手なセリフとか作って喋らせたりしてるウチに、
なんかもう。りしゃみやの会話なんて、100%創作ですから。本物はトラだから喋らないからね(ハート

つーか、予想以上にりしゃみやハマりすぎで笑えました。藤本もなんかハマってたし。
配役は結構ドンピシャだったかなぁと思ってみたり。
またこーやって、映画をハロメン使ったパロディで書いてみるのも楽しいかもね。

では、まだトゥ・ブラザーズを見てない方は、是非オススメします。
キャワいいし、泣けるし、なんか心の暖かくなるお話ですよー。